(※写真はイメージです/PIXTA)

共働き世帯では、将来に備えた資産形成の手段として「共同口座」を設けるケースが増えています。夫婦それぞれが一定額を拠出し、教育費や老後資金など目的別に管理する方法は、合理的で透明性も高いとされています。しかし、その前提となるのは「使い道の共有」と「ルールの明確化」です。これが曖昧なまま運用されると、思わぬトラブルを招くことがあります。


「毎月20万円貯まるはずだった」… 共同口座に異変

会社員の隆二さん(仮名・42歳)と妻の真美さん(仮名・40歳)は、結婚して10年目。世帯年収は約1,000万円で、子どもは小学生が1人います。

 

2人は結婚当初から「共同口座」を作り、毎月それぞれ10万円ずつ、合計20万円を積み立ててきました。主な目的は、子どもの教育費と将来の住宅リフォーム費用です。

 

「家計は別管理ですが、将来の大きな支出はここから出そうと決めていました。お互いに納得して始めた仕組みでした」

 

積立は順調に続き、真美さんの中では「かなり貯まっているはず」という認識がありました。

 

しかし、ある日、その前提が崩れます。

 

きっかけは、子どもの中学受験を見据えた塾選びでした。入塾金や授業料など、まとまった費用が必要になるため、真美さんは久しぶりに共同口座の残高を確認します。

 

その瞬間、思わず声が出ました。

 

「…え? なんでこんなに少ないの?」

 

想定では少なくとも1,500万円近くはあるはずの残高が、実際にはその半分にも満たなかったのです。

 

帰宅後、真美さんはすぐに夫に問いかけました。

 

「この口座、どうなってるの?」

 

中村さんは一瞬言葉に詰まりましたが、やがてこう答えました。

 

「少し使ったことはあるけど…全部じゃないよ」

 

詳しく話を聞くと、数年前から中村さんはこの口座から定期的に引き出しをしていたといいます。用途は主に「生活費の補填」と「一時的な出費」でした。

 

「ボーナスが減った時期があって、その穴埋めに使ったり…あと、車の買い替えの頭金にも少し」

 

真美さんにとって、それは初耳でした。

 

「それって、“少し”の範囲なの?」

 

2人の間で、「共同口座は基本的に使わない」という認識は共有されていたものの、「例外」のルールは明文化されていませんでした。

 

「信頼していたのに…、確認していなかった自分にもショックでした」

 

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