(※写真はイメージです/PIXTA)

定年後の人生を見据え、起業や新たな挑戦に踏み出す人もいます。十分な資金があれば安定した生活が続くように思えますが、実際には事業の結果だけでなく、家族との関係や生活リズムの変化も影響してきます。老後の選択は収入面だけでなく、日々の暮らしや役割のあり方も含めて考える必要があります。

一人で迎えた食卓と見直した「働き方」

別居後、一郎さんは一人で生活することになりました。

 

仕事は続けていましたが、以前のような集中力は保てなくなっていきます。自宅での打ち合わせも減り、徐々に仕事量も落ちていきました。

 

「気づいたら、食事を一人で取ることが増えていました」

 

一郎さんは、初めて自分の状況を客観的に見直しました。

 

「お金や仕事のことばかり考えていて、日々の暮らしに目が向いていなかったと思います」

 

その後、仕事の量を減らし、外部のオフィスを借りることを検討するなど、生活と仕事の切り分けを意識するようになりました。

 

直子さんとも話し合いを重ね、現在は完全な同居には戻っていないものの、定期的に顔を合わせる関係に変わっています。

 

「元に戻ったわけではありませんが、少しずつ調整しています」

 

起業自体が間違いだったとは考えていません。ただ、その進め方や生活とのバランスについては、見直す必要があったと感じているといいます。

 

資金があることや、やりたいことに挑戦できる環境があっても、それで暮らしがうまく回るとは限りません。一郎さんにとって今回の経験は、働き方と暮らしの関係を見直すきっかけとなりました。

 

 

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