(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の住まいとして、有料老人ホームを選ぶ人は少なくありません。入居一時金や月額費用が高い施設ほど、手厚いサービスや安心感を期待しがちです。しかし、実際の費用負担は入居時には把握しにくい場合があり、介護度の変化や医療対応、追加サービスによって支出が増えることもあります。契約内容を十分に確認しないまま入居すると、数年後に想定外の負担に直面するケースもあります。

「話が違うじゃないか」契約書を読み返して分かったこと

「話が違うじゃないか、と思いました。でも、よく読むと、契約書には確かに書いてあったんです」

 

問題は、契約内容そのものよりも、「将来どのような場面で追加費用が増えるのか」を具体的に想像できていなかったことでした。

 

入居当時、夫婦はまだ元気でした。食事も移動も自分たちででき、通院もタクシーで行けていました。そのため、介護度が上がった後の費用までは、現実感をもって考えられなかったといいます。

 

「元気なときに契約したので、自分たちがどこまで支援を必要とするか、あまり考えられていませんでした」

 

その後、森田さんは子どもたちと一緒に施設側へ説明を求め、今後発生し得る費用を改めて整理しました。月額費用に含まれる範囲、介護保険で対応できる範囲、自費になるサービス。ひとつずつ確認していくと、これまで曖昧だった部分が見えてきたといいます。

 

「入居する前に、もっと具体的に聞いておくべきでした」

 

ただ、すぐに退去する選択は現実的ではありませんでした。妻の状態を考えれば、住み慣れた環境を変える負担も大きいからです。

 

現在、森田さん夫妻は、必要なサービスを選別しながら生活を続けています。通院付き添いは家族が対応できる日は家族が行い、追加サービスも本当に必要なものに絞るようにしました。

 

「高い施設に入ったから安心、ではなかったんだと思います」

 

老人ホーム選びにおいては、元気なときの費用ではなく、介護が必要になったときの費用まで見ておく必要があります。森田さんが受け取った請求書は、施設生活を見直すきっかけとなりました。

 

 

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