「ガソリン代と高速代、全部私一人が出すの?」
「車にかかるお金のことって、わからないんですかね?」
そう話すのは、会社員として働くAさん(24歳)。大学時代の友人2人と初キャンプへ出かけたときに感じた“モヤモヤ”です。
3人とも本格的なアウトドア経験はほとんどなく、選んだのは、テントや寝具、BBQコンロ、夕食の食材まで揃った「手ぶらキャンププラン」でした。
1泊2日プラン(3人分)で21,600円、一人あたり7,200円。これは予約時にAさんが代表して立て替えて、友人たちもすぐに自分の分を送金してきていました。
しかし、一つだけ、そうした支払いから抜け落ちていたものがありました。それは、移動にかかった費用です。
高速道路料金(往復)が約6,320円、ガソリン代が約5,000円(走行距離から計算)、3人で割れば、一人あたり約3,850円といったところ。決して払えない金額ではないはずですが、友人たちは最後まで、その話題に一度も触れませんでした。
「運転お疲れさま、本当にありがとう! また行こうね!」
もらったのは、その言葉だけ。往復6時間の運転、高速代にガソリン代。
「いくらだった?」
その一言を待っていたAさんでしたが、ついにその言葉を聞くことはありませんでした。
「キャンプに行きたいと言い始めたのも、車を出すと言ったのも私でした。だから、後から『お金を出して』と言うのもケチくさい気がして。せっかく楽しかったのに、醒める感じもしますよね。こんなにモヤモヤするなら、もうこの子たちと車で出かけるのはやめようと思いました」
車を出す側と乗る側の感覚の差
SNSでも定期的に話題になる、この手のトラブル。GWの期間に、友人と車で出かける機会もあるかもしれませんが、なぜ、車にかかる費用はスルーされてしまいやすいのでしょうか。
車を持たない人にとって、移動にかかる費用は、電車の切符のように“その場で目に見えるものだけ”と思い込みがち。ガソリンの減りや後日引き落とされるETC代は実感しづらい――これが最大の要因でしょう。
特に昨今は、全国平均で170円/L前後(※)という高値圏が続いています。補助金がなければ200円を突破しかねないほどの高騰ぶり。車を出す側の実負担は確実と膨らんでいるのです。
※経済産業省「石油製品価格調査」より/2026年4月下旬時点
一方、車を出す側は「言わなくても、かかった経費と運転の労力くらい察してほしい」と思う。この感覚の差が、少しずつ不満を積み上げていきます。
今回のようなモヤモヤは、出発前にサラっと伝えるだけで防げた可能性があります。
「高速代とガソリン代、3人で割ることにしようね」
後から「あの時の交通費だけど」と切り出すのは、お互いに気まずいもの。だからこそ、もし相手から言われなければ、こちらから出発前に伝えること。もちろん、後から言うことも決して悪いことではありません。
「たかが数千円」と思う人もいるでしょう。けれど、その数千円に込められた負担の不公平――こういったモヤモヤが、友情を壊すきっかけになることもあります。不満を溜めこまないことが、何より大切です。
そもそも、友人を乗せて運転すること自体、長時間であるほど気も体力も使うもの。そのお礼はもちろん、かかった費用を確認して支払うことは、ごく当たり前のことです。
その場で見えないお金であっても、気を回す。それは乗せてもらう側が持つべき、最低限のマナーといえるのではないでしょうか。
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】
