「減るスピード」を前提に考え直した生活
帰国後、石井さんは生活の見直しを始めました。まず海外滞在の頻度を大幅に減らし、日本での生活を中心に切り替えました。
「完全にやめるつもりはありませんが、回数は絞ることにしました」
また、支出を把握するために家計簿をつけ始めました。これまで感覚的に管理していたお金の流れを、数字として見えるようにしたといいます。
「どこにどれだけ使っているのか、初めてちゃんと理解しました」
厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金の平均受給額は月15万1,142円です。年金だけで生活を完結させることが難しい場合、資産の取り崩し方が生活の安定に直結します。
石井さんは現在、年金をベースに生活費を抑え、資産はあくまで補填として使う形に見直しています。
「以前は“あるから使う”でしたが、今は“どれだけ持たせるか”を考えるようになりました」
旅行を完全にやめたわけではありません。ただ、期間や頻度、滞在方法を調整することで、支出のバランスを取るようにしています。
「同じことを続けることはできないと分かりました」
資産は時間とともに減っていくものです。そのペースをどう捉えるかによって、その後の選択は大きく変わります。石井さんは今、その前提に立ち直して生活を組み立てています。
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