(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金を「どのように使うか」。旅行や趣味など、現役時代にできなかったことに時間とお金を使う選択は自然なものです。一方で、支出のペースや為替、医療費などの変動要因を十分に織り込まないまま使い続けると、想定より早く資産が減少することもあります。

「減るスピード」を前提に考え直した生活

帰国後、石井さんは生活の見直しを始めました。まず海外滞在の頻度を大幅に減らし、日本での生活を中心に切り替えました。

 

「完全にやめるつもりはありませんが、回数は絞ることにしました」

 

また、支出を把握するために家計簿をつけ始めました。これまで感覚的に管理していたお金の流れを、数字として見えるようにしたといいます。

 

「どこにどれだけ使っているのか、初めてちゃんと理解しました」

 

厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、老齢厚生年金の平均受給額は月15万1,142円です。年金だけで生活を完結させることが難しい場合、資産の取り崩し方が生活の安定に直結します。

 

石井さんは現在、年金をベースに生活費を抑え、資産はあくまで補填として使う形に見直しています。

 

「以前は“あるから使う”でしたが、今は“どれだけ持たせるか”を考えるようになりました」

 

旅行を完全にやめたわけではありません。ただ、期間や頻度、滞在方法を調整することで、支出のバランスを取るようにしています。

 

「同じことを続けることはできないと分かりました」

 

資産は時間とともに減っていくものです。そのペースをどう捉えるかによって、その後の選択は大きく変わります。石井さんは今、その前提に立ち直して生活を組み立てています。

 

 

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