投資判断に重要な「サンクコスト」という考え方
株を買った時の値段と今の値段を比較するから、損切りが遅れたり利益確定売りが早くなりすぎたりするのです。株式投資の際に重要なことは、「買った値段は忘れる」ことです。何円で買った株であっても、「値上がりすると思えば持っている、値下がりすると思えば売る」という意思決定が重要なのです。買った時に払った代金は「サンクコスト」なのですから。
サンクコストというのは、「払ってしまった金は戻ってこない」ということを示す言葉で、「買った本がつまらなければ、買った値段のことは忘れて捨ててしまえ。最後まで読んでも買った金は返ってこないのだから」といった場合に使われる考え方です。ちなみに、「沈んでしまった」という英単語が源です。サンキューのサンクではありません。
「運が悪かっただけだと思いたい…」
値下がりした株を損切りせずに塩漬けする投資初心者の意識のなかに、「今売ったら損失が確定してしまう。そうなったら、そんな株を買った自分が愚かだったと後悔することになる。それは避けたい」といった意識もあるかもしれません。そうであれば、そうした意識は早く払拭すべきです。
「他人に愚かだと思われたくないから、正しくない選択肢だとわかっていてもやむを得ない」というのであれば理解できなくはありませんが、自分に見栄を張るために正しくないとわかっている選択をするのは非合理的といわざるを得ないでしょう。
ちなみに、値下がりした株を持ち続けること自体が問題なのではありません。「損が確定してしまうのが嫌だから持ち続ける」ことが問題なのです。冷静に考えて株価が戻る確率のほうがさらに下がる確率より高そうならば、持ち続けるべきなのですから。
買った株が値下がりしたとしても、「買った自分が愚かだったわけではなく、運が悪かっただけだ」と考えましょう。株が上がるか下がるかなど、ほとんどの場合には運次第なのですから。
本稿は以上ですが、投資判断等は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があります。
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塚崎 公義
経済評論家
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