法人が貸主の場合は、賃料以外の支払金額がポイントに
Q
当社は従業員寮を保有せず、法人の建物オーナーから、従業員の社宅としてアパート1棟(6室家賃月額60万円)を2年前から借りている。昨年は、支払調書を税務署に提出する必要はないと顧問税理士から言われ提出していない。今年更新があったので、更新料として60万円をオーナー法人に支払った。今年は、オーナー法人の法人番号を教えてもらう必要があるか?
A
1.貸主法人の法人番号を教えてもらう必要がある。
2.まず、借りて家賃を支払っている借主が法人なので、原則支払調書の税務署への提出義務者である。
3.次に、家賃をもらう貸主が法人なので、定期に支払う家賃については、支払調書の税務署への提出の必要はない。
4.ところが今回、借主法人は更新料を60万円支払っている。貸主が法人でも家賃以外に15万円を超える臨時支払いが発生する場合は、借主法人は貸主法人の法人番号を教えてもらい支払調書を税務署に提出する必要がある。
5.なお、支払調書の税務署への提出期限は、原則、支払者が法人でも支払いの確定した日の翌年1月31日。支払者が法人でも税務申告時(決算時)ではないことに注意。これは、主に支払いを受けた個人売主・個人貸主の所得補足を目的にしているから。
貸主・借主ともに個人の場合は原則、支払調書は不要
Q
個人のオーナーから個人の借主が、マンションを借りていた。個人のオーナーは個人の借主にマイナンバーを教える必要があるか?
A
1.主に売買を業務とする個人の不動産業者が借主とならなければ、個人借主は支払った家賃について税務署に支払調書を提出する必要がない。
2.したがって、個人貸主は、個人借主にマイナンバーを教える必要はない。