提供された家主のマイナンバーを顧問税理士に教えてもいいか?

今回は、「不動産の使用料等の支払い調書」の提出を顧問税理士に依頼している場合に、建物オーナーのマイナンバーをその顧問税理士に伝えてもいいのかを見ていきます。※本連載は、立川・及川法律事務所の代表弁護士、立川正雄氏の著書『不動産業者のためのマイナンバーQ&A』(にじゅういち出版)の中から一部を抜粋し、不動産の賃貸に関するマイナンバーの取扱い方法をQ&A方式でご紹介します。

支払調書の作成事務を顧問税理士に委託しているケース

 Q 

当社は従業員寮を保有せず、個人の建物オーナーから、従業員の社宅を当社の法人借りで賃借している。支払調書を税務署に提出する必要があるが、支払調書を税務署に提出する作業は当社の顧問税理士に任せてしまっている。オーナーのマイナンバーを顧問税理士に教えてよいか?

 

 

 A 

1.オーナーのマイナンバーを顧問税理士に教えることができる。

 

2.マイナンバー法も、特定個人情報の利用目的の範囲で、事務を委託する場合の委託先には、特定個人情報を提供することを認めている。

 

3.本問のように、家賃の支払調書の作成事務を顧問税理士に委託している場合には、家賃の支払調書の作成の目的の範囲内で、マイナンバーを顧問税理士に提供できる(マイナンバー法第19条二号)。

借主や税理士が、第三者に漏洩すれば罰則が課せられる

4.家賃の支払調書の作成のため、オーナーのマイナンバーの提供を受けた借主法人は、「個人番号関係事務実施者」になるが、委託を受けた顧問税理士もやはり「個人番号関係事務実施者」になる。

 

5.したがって、顧問税理士や、税理士事務所の職員が個人のマイナンバーを漏洩した場合には、3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金に処し、又は併科される(マイナンバー法第68条)。

 

マイナンバー法第19条(特定個人情報の提供の制限)

何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。

二 個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき(第十号に規定する場合を除く。)。

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    立川・及川法律事務所 弁護士

    昭和50年、中央大学法学部卒業。
    昭和52年、司法試験合格、昭和55年弁護士開業。
    会社法務・開発・建築・不動産法務・倒産法務を専門分野とする。
    最近では、ゴルフ場の清川カントリークラブの更生管財人として再建を果たす。
    勤務弁護士合計9名を擁する法律事務所を経営。
    「請負契約の諸問題」「個人情報保護法と実務の対応」「不動産仲介の諸問題」等で講演会を行い、『入居と退去の法務』『担保不動産売買仲介の実務』『賃貸管理業務規定・契約書式監修』『底地と借地の実務』等多数の著者がある。

    著者紹介

    連載不動産の賃貸に関する「マイナンバー」の取扱いQ&A

    本連載は、2016年11月19日刊行の書籍『不動産業者のためのマイナンバーQ&A』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    不動産業者のための マイナンバーQ&A

    不動産業者のための マイナンバーQ&A

    立川 正雄

    にじゅういち出版

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