支払調書の作成事務を顧問税理士に委託しているケース
Q
当社は従業員寮を保有せず、個人の建物オーナーから、従業員の社宅を当社の法人借りで賃借している。支払調書を税務署に提出する必要があるが、支払調書を税務署に提出する作業は当社の顧問税理士に任せてしまっている。オーナーのマイナンバーを顧問税理士に教えてよいか?
A
1.オーナーのマイナンバーを顧問税理士に教えることができる。
2.マイナンバー法も、特定個人情報の利用目的の範囲で、事務を委託する場合の委託先には、特定個人情報を提供することを認めている。
3.本問のように、家賃の支払調書の作成事務を顧問税理士に委託している場合には、家賃の支払調書の作成の目的の範囲内で、マイナンバーを顧問税理士に提供できる(マイナンバー法第19条二号)。
借主や税理士が、第三者に漏洩すれば罰則が課せられる
4.家賃の支払調書の作成のため、オーナーのマイナンバーの提供を受けた借主法人は、「個人番号関係事務実施者」になるが、委託を受けた顧問税理士もやはり「個人番号関係事務実施者」になる。
5.したがって、顧問税理士や、税理士事務所の職員が個人のマイナンバーを漏洩した場合には、3年以下の懲役もしくは150万円以下の罰金に処し、又は併科される(マイナンバー法第68条)。
マイナンバー法第19条(特定個人情報の提供の制限)
何人も、次の各号のいずれかに該当する場合を除き、特定個人情報の提供をしてはならない。
二 個人番号関係事務実施者が個人番号関係事務を処理するために必要な限度で特定個人情報を提供するとき(第十号に規定する場合を除く。)。