家主のマイナンバーが載った支払調書 借主はどう取り扱う?

今回は、家主のマイナンバーが記載された支払調書について、借主がそのコピーなどを保管しておくことは問題にならないかを検討します。※本連載は、立川・及川法律事務所の代表弁護士、立川正雄氏の著書『不動産業者のためのマイナンバーQ&A』(にじゅういち出版)の中から一部を抜粋し、不動産の賃貸に関するマイナンバーの取扱い方法をQ&A方式でご紹介します。

保管義務はないが、業務上、保管せざる得ない場合も

 Q 

個人貸主のマイナンバーが記載された借家家賃の支払調書は何年保管すべきか?

 

 A 

1.借家家賃の支払調書は、借主は保管しておく義務はない。売買の支払調書も同様である。

 

2.したがって、理論的には個人貸主のマイナンバーが記載された家賃の支払調書は、控えを取らずに税務署に提出するか、コピーを取った場合にもその控えは速やかに破棄すべきである。

 

3.ところが、現実問題としては、貸主等から照会のあった場合などに備え、発行者としてはある程度の期間保存しておく必要がある。特に、個人情報保護法で、「税務署に支払調書を提出するため」と説明すると、貸主から「どんな支払調書を税務署に出したのか?控えを欲しい。」と要請されることも多いと思われる。

保管する場合には最長7年間が限度と考えられる

4.平成27年4月17日、特定個人情報保護委員会(平成28年1月1日より個人情報保護委員会に改組)『特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラン(事業者編)』及び『(別冊)金融業務における特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドラン』の、下記Q&Aには、マイナンバーの記載された支払調書の控えを保管するのは違法にならないが、最長、税務の関係資料の保管期間である7年が限度と考えられるとする旨の説明がされている。

 

Q:支払調書の控えは保存義務が課されていませんが、支払調書の作成・提出後個人番号が記載された支払調書の控えを保管することができますか。

 

A:支払調書を正しく作成して提出したかを確認するために支払調書の控えを保管することは、個人番号関係事務の一環として認められると考えられます。

 

支払調書の控えを保管する期間については、確認の必要性及び特定個人情報の保有に係る安全性を勘案し、事業者において判断してください。なお、税務における更正決定等の期間制限に鑑みると、保管できる期間は最長でも7年が限度であると考えられます。(平成27年4月追加)

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    立川・及川法律事務所 弁護士

    昭和50年、中央大学法学部卒業。
    昭和52年、司法試験合格、昭和55年弁護士開業。
    会社法務・開発・建築・不動産法務・倒産法務を専門分野とする。
    最近では、ゴルフ場の清川カントリークラブの更生管財人として再建を果たす。
    勤務弁護士合計9名を擁する法律事務所を経営。
    「請負契約の諸問題」「個人情報保護法と実務の対応」「不動産仲介の諸問題」等で講演会を行い、『入居と退去の法務』『担保不動産売買仲介の実務』『賃貸管理業務規定・契約書式監修』『底地と借地の実務』等多数の著者がある。

    著者紹介

    連載不動産の賃貸に関する「マイナンバー」の取扱いQ&A

    本連載は、2016年11月19日刊行の書籍『不動産業者のためのマイナンバーQ&A』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

    不動産業者のための マイナンバーQ&A

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    立川 正雄

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