法人所有の物件 借主の個人は「法人番号」を知る必要があるか?

今回は、家主が法人で借主が個人の場合に、借主の個人は家主に法人番号を教えてもらう必要があるのかを見てみます。※本連載は、立川・及川法律事務所の代表弁護士、立川正雄氏の著書『不動産業者のためのマイナンバーQ&A』(にじゅういち出版)の中から一部を抜粋し、不動産の賃貸に関するマイナンバーの取扱い方法をQ&A方式でご紹介します。

借主が個人なら、原則、マイナンバーのやりとりは不要

 Q 

株式会社A不動産が所有しているマンションを、個人の入居者が借りて家賃を払っている。この場合、借主の個人は貸主会社の法人番号を教えてもらう必要があるか?

 

逆に、貸主である株式会社A不動産は、個人の入居者からマイナンバーを教えてもらう必要があるか?

 

 A 

1.個人の入居者は、借家を借りて、家賃を払っていても、支払調書を税務署に提出する必要がないので、貸主会社の法人番号を教えてもらう必要はない。

 

2.支払調書の提出義務者は、個人の場合、主に売買を取り扱う不動産業者に限られており、一般の個人借主には、支払い家賃を税務署に支払調書として提出する義務はない。

 

3.支払調書を税務署に提出するのは、家賃を払っている借主に限られている。貸主である株式会社A不動産が、入居者から受領する家賃について法定調書を出すことはないから、個人の入居者からマイナンバーを教えてもらう必要はない。

法人の貸主と法人のテナントの場合は…

 Q 

法人の貸主が、法人のテナントに事務所店舗を貸して礼金・家賃の支払いを受けた。この場合の貸主法人の法人番号の提供は必要か?

 

 A 

1.借主法人が、貸主法人に礼金や更新料を支払った場合のみ、借主法人は支払調書を税務署に提出する義務があるので、礼金または更新料を支払う借主法人は貸主法人の法人番号を教えてもらう必要がある。

 

2.借主法人が、家賃や駐車料等を貸主法人に支払っている場合は、支払調書を税務署に提出する義務が借主法人にないから、貸主法人の法人番号を教えてもらう必要がない。

 

国税庁HP>税について調べる>タックスアンサー>法定調書>法定調書>No.7441「不動産の使用料等の支払調書」の提出範囲からの抜粋

 

法人に支払う不動産の使用料等については、権利金、更新料等のみを提出してください

 

1)したがって、法人に対して、家賃や賃借料のみ支払っている場合は、支払調書の提出は必要ありません。

立川・及川法律事務所 弁護士

昭和50年、中央大学法学部卒業。
昭和52年、司法試験合格、昭和55年弁護士開業。
会社法務・開発・建築・不動産法務・倒産法務を専門分野とする。
最近では、ゴルフ場の清川カントリークラブの更生管財人として再建を果たす。
勤務弁護士合計9名を擁する法律事務所を経営。
「請負契約の諸問題」「個人情報保護法と実務の対応」「不動産仲介の諸問題」等で講演会を行い、『入居と退去の法務』『担保不動産売買仲介の実務』『賃貸管理業務規定・契約書式監修』『底地と借地の実務』等多数の著者がある。

著者紹介

連載不動産の賃貸に関する「マイナンバー」の取扱いQ&A

本連載は、2016年11月19日刊行の書籍『不動産業者のためのマイナンバーQ&A』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

不動産業者のための マイナンバーQ&A

不動産業者のための マイナンバーQ&A

立川 正雄

にじゅういち出版

いよいよ2016年の支払調書および2017年2月からの確定申告時にマイナンバー記載が義務付けられます。マイナンバーは、不動産取引にも大きな影響があります。 そこで、売買・賃貸など不動産取引を行う法人・個人の方、賃貸管理…

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