株や債券などのペーパーアセットは、金融ショック時に巨額の投機マネーによって激しく値動きします。一方、実物資産である「アンティーク・コイン」は、その市場の特殊性から影響を受けにくく、資産の質的分散として機能します。本記事では、田中徹郎氏の著書『資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集し、アンティーク・コインが金融危機に強い理由を解説します。
巨額の投機マネーが入り込めない…コイン市場が金融危機に強いワケ
まず挙げておきたいのは、市場に入ってくるマネーの性質です。株や債券、為替市場など、いわゆる証券市場にはさまざまなおカネが入ってきます。もちろん実需に基づいたおカネも入ってきますが、その何倍もの投機的なマネーが日々刻々と出入りしています。
投機的なマネーは足が速く、市場参加者の心理は一瞬の間に全体へと伝染します。隣の投機家が売るから自分も売る、自分が売るとさらにそれを見た隣の投機家が売る……。こうやって相場は急速に上下動するものです。
これに対しコインはどうでしょう。
株や債券との最大の違いは、市場の規模が小さく、投機的なおカネが入りにくい点です。株式の時価総額は2京円ほどあると言われていますし、債券はもう少し大きいと考えられています。このような大きな市場は投機的なマネーが入っても、自らのおカネで市場を動かしてしまうことは通常ありません。
コインの市場規模を4兆円と申しましたが、このように狭い市場に投機的なマネーが入るのは難しいでしょう。なぜなら、自らのおカネで相場を動かしてしまうからです。
巨額な投機的なマネーの受け皿として、コイン市場はふさわしくないのです。
株式会社銀座なみきFP事務所
代表/FP
株式会社銀座なみきFP事務所代表取締役。一般社団法人全国実物資産投資協会代表理事。1961年神戸生まれ。神戸大学経営学部卒業後、三洋電機を経て1990年ソニー入社。
2004年4月に同社退社後、(株)銀座なみきFP事務所設立。現在はファイナンシャルプランナー/プライベート・バンカーとして約100名の富裕層の顧客を持つ。貴金属やコインなど現物資産だけでなく、株やETF、債券などを用いた資産防衛プランや資産承継プランを提供している。
著書として『富裕層プライベートバンカーが教える 最強のアンティーク・コイン投資』(日本実業出版社)、『アンティーク・コイン&実物資産で手堅く運用する』(クロスメディア・マーケティング)、『世界のお金持ちが実践するアンティークコイン投資』(クロスメディア・パブリッシング)などがある。
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連載「コイン収集歴50年」のFPが解説する〈アンティーク・コイン〉資産形成術