(※写真はイメージです/PIXTA)

株や債券と異なり、「実物資産」は基本的には売買を繰り返さず「持ち続けること」で資産の質的分散を図る商品です。ライフプランの変化などで換金が必要になる例外的なケースを除き、その最終的な出口は「相続」に行き着きます。本記事では、田中徹郎氏の著書『資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集し、アンティーク・コイン投資の出口戦略について解説します。

「あらゆる投資には出口がある」の真偽…ペーパーアセットと実物資産の違い

よく「あらゆる投資には出口がある」と言われます。投資というものの本質がおカネ儲けにあるならば、たしかにこの考えは正しいと思います。なぜなら、最後はおカネに換えることによって儲けが実現するからです。

 

たとえば、私たちが株式に投資をする場合はどうでしょう。株は上下動が激しいですし、地域の紛争や戦争などによって急落することもあります。逆に、経済的な好環境に恵まれて驚くほど値を上げることもあります。

 

これに対して実物資産はどうでしょう。実物資産も世界の景気や金融ショックなど、環境の変化によって大きく値動きすることがありますが、少なくとも株や債券などと違った動きをしやすいと言えるでしょう。

 

実物資産投資の目的は人それぞれですが、一般的に私たちが実物資産に求めるのは、安定した値動きと、株や債券、現預金などペーパーアセット(=紙の資産)への偏りの回避──言い換えれば「資産の質的な分散」ではないでしょうか。

コインを含む「実物資産」には出口がない理由

では、さらに一歩進めて、資産の質的な分散を目的とした保有に出口は必要なのでしょうか。

 

たとえば、経済危機や紛争や戦争、財政破綻などはいつやってくるか予想できません。つまり、私たちは“一寸先は闇”の世界で生きていると言えるでしょう。であれば、私たちは常に一定の実物資産を保有しなくてはならないはずです。

 

もし、みなさんがいったん手持ちの実物を売ったとしても、その売却によって保有資産に占める実物資産の比率が下がった分、むしろハラハラ感は大きくなるはずです。その結果、かえって実物資産の必要性は高くなり、みなさんは実物資産を買い戻すことになるはずです。

 

このように考えるなら、「実物資産投資に出口はない」と言えます。

 

不動産を持っていた人は再び不動産を買い直し、金やプラチナを持っていた人は金やプラチナを買い戻し、コインを持っていた人はコインを買い戻す──。こういうことになるはずです。

 

しかし、ここで注意が必要なのはコストです。不動産であれ、貴金属であれ、コインであれ、実物資産の売買手数料は株や債券に比べて高く、売買を繰り返すことによっておカネは流出します。

 

ただし、どんな場合でも実物資産を売ってはいけないというわけではありません。いくつかの例外はあると思います。

次ページ例外的に「実物資産」の売却を迫られる2つのケースとは?

※本連載は、田中徹郎氏の著書『資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて』(日本実業出版社)より一部を抜粋・再編集したものです。

資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて

資産運用の視点からみた 決定版 アンティーク・コイン投資のすべて

田中 徹郎

日本実業出版社

一つのカゴに卵を盛るな――これは投資の基本である。資産を増やすためには、株や債券などへの投資が一般的だが、これらペーパーアセットには激しい価格変動がある。古くはバブルの崩壊やリーマン・ショックなど、株式投資で大…

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