「想定していなかった出費」が家計を圧迫
説明会のあと、健太さんは改めて家計を見直しました。すると、これまで見過ごしていた支出が次々と浮かび上がってきたといいます。
「ローン返済に加えて、管理費と修繕積立金で月10万円近く。そこに駐車場代や光熱費も入れると、住居関連だけでかなりの金額になります」
高収入世帯であっても、固定費が増えれば可処分所得の圧迫は避けられません。
さらに、夫婦それぞれの働き方にも変化が出始めていました。彩さんは将来的に時短勤務を検討しており、収入が減る可能性もありました。
「今は何とか回っていますが、どちらかの収入が下がったら厳しくなると感じました」
それでも、すぐに住み替えるという選択は現実的ではありませんでした。
「売るにしてもタイミングがありますし、ローンも残っています。簡単に動ける話ではないんです」
ある夜、二人で今後の生活について話し合ったといいます。
「“このまま今の生活を維持できるのか”という話になりました。初めて、少し不安を感じました」
彩さんもこう話します。
「最初は“理想の暮らしを手に入れた”と思っていました。でも、その裏にある負担をきちんと理解できていなかったのかもしれません」
住宅購入は、一度決めると簡単にやり直せるものではありません。特にフルローンの場合、将来の収入や支出の変化を含めた長期的な視点が求められます。
「買うときは“いける”と思っても、その前提が変わることは普通にあるんですよね」
健太さんはそう振り返ります。
高収入であることと、将来にわたって余裕があることは、必ずしも同じではありません。今回の説明会で明らかになったのは、数字としての負担だけでなく、“見えていなかったリスク”でした。
購入時には見えにくかったコストが、後から現実として表れることもあります。夫婦は、その変化に直面しながら、今の住まいとどう向き合うかを考え始めています。
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