前回は、「新築アパート」のメリットとデメリットについて説明しました。今回は、投資物件として「戸建て賃貸」がお勧めできない理由について見ていきます。

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戸建て賃貸が「事業」として成り立つエリアとは?

区分所有、RCときたら、やはり戸建て賃貸に関しても言及しなければいけないでしょう。実際、セミナーなどで「投資用の戸建て賃貸ってどう思いますか?」と質問されることは多いのです。

 

そういうとき、決まって私は、「それは、弊社の商品ラインナップにないので、ダメと言うに決まっているじゃないですか」と、冗談交じりにお返事するのですが、実は本当にそう思うから、弊社は事業としていないのです。

 

ここでお伝えすることは、あくまでも私個人の考え方ですが、投資物件選択の参考にはなると思います。

 

戸建て賃貸をお勧めしない理由を挙げてみます。

 

●立地の問題

基本的に、戸建て賃貸が事業として成り立つエリアは、土地代がかなり安い郊外です。人口減少が進む現在において、郊外型の賃貸経営がうまくいくとは思えません。今後も都心回帰が続くと考えられるからです。子供を持つ若い世代は、学校区のよさや近さ、交通機関の便利さを求めます。シルバー層は持ち家か、そうでなければ都心に近く、スーパーや病院、銀行などが近いエリアを好みます。郊外の住宅に全く需要がないとは言いませんが、なかなか入居者がつかず、空室に悩むであろうことは容易に想像できます。

 

●空き家対策特別措置法

先ごろ施行された、空き家対策特別措置法も気になります。本当に古ければ、解体せざるを得ないでしょうが、そうでなければ「貸そうか」となる方も増えるのではないでしょうか。今までは、空き家でも気にしていなかった家の所有者の方が、ライバルとして現れそうです。

 

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今後ますます難しくなる郊外の中古戸建の売却

●空室リスク

投資金額に対して、戸数が少ないのが気になります。例えば4000万の投資で3棟購入したとしましょう。もし、1棟でも空きが出ればいきなりマイナスか、良くてもトントン。家賃を下げて成約すれば、残り2棟からも値下げ交渉を受ける事態になりかねません。特に戸建てが並ぶエリアは、ご近所付き合いが基本のため、住民同士で情報を共有します。

 

また空室は、金銭面だけでなく、物件自体にも影響します。家は住まないと傷みが早くなるからです。

 

●出口が見えない

古くなった戸建て賃貸住宅を、しかも郊外で購入したいと考える方が、どれだけいるのか疑問です。うまくいけば、住んでいる方が直接買ってくれるかもしれませんが、その可能性はどの程度なのでしょうか。今後は、空き家対策特別措置法の絡みで、郊外の中古戸建て住宅の売り物が、ますます増えるのではないかと予想されます。そんな中での郊外の中古戸建ての売却は難しいのではないかと思います。

 

以上のような状況を考えると、弊社では事業として取り組めない、という判断になります。

 

しかし、全ての戸建て賃貸がダメだと言っているわけではありません。競争に勝てる希少価値の高い物件にめぐり合えれば、確率は低いでしょうが、戸建て賃貸でも成功する可能性は十分にあります。

 

いずれにせよ、慎重に検討されることをお勧めいたします。

 

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本連載は、2016年11月30日刊行の書籍『新築アパート経営こそ副業の中の本業 成功の秘訣55』から抜粋したものです。その後の法律、税制改正等、最新の内容には対応していない場合もございますので、あらかじめご了承ください。

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中島 厚己

幻冬舎メディアコンサルティング

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