資産2億円女性の孤独死…発見の遅れと相続の現実
節子さん(仮名・74歳)は都心のタワーマンションで一人暮らしをしていました。資産は預貯金や有価証券、不動産を含めて2億円超。経済的には余裕があり、周囲から見ても特に問題のない生活を送っているように見えていました。
唯一の親族といえる存在が甥の健一さん(仮名・40代)でしたが、関係は決して密ではなく、顔を合わせるのは年に数回。電話も頻繁にする関係ではありませんでした。
「元気そうだったし、特に心配するような様子はなかったんです」
そう振り返る健一さんに、異変を知らせたのは人ではなく“匂い”でした。
ある日、マンションの管理人から「異臭がする」と連絡が入り、健一さんは現地へ向かいます。管理人と関係者立ち会いのもと室内を確認すると、節子さんはすでに亡くなっていました。
発見時の状況から、死後1ヵ月近く経過していたとみられています。
ここで健一さんは想像以上に重い負担に直面しました。
遺体の状況確認や死因の手続きに加え、室内の清掃、原状回復、管理費の精算など、短期間で多くの対応が必要となりました。さらに、金融機関の口座は凍結され、資産があるにもかかわらず自由に使えない状態になります。
「資産があるといっても、すぐに使えるわけじゃない。むしろ最初は出ていくお金のほうが多かったです」
相続の整理を進める中で明らかになったのは、資産の大部分が不動産と金融資産に分散していたことでした。
特に問題となったのが、実家の土地に関する権利関係です。節子さんと健一さんは、駐車場とアパート用地についてそれぞれ持分1/2ずつの共有状態にありました。
この状態のままでは、売却や活用の判断が単独ではできず、相続後の処理にも影響が出ることになります。
「以前から気にはなっていたんですが、深く話すことはなかったんです」
