(※写真はイメージです/PIXTA)

老後資金として「3,000万円あれば安心」と考える人は少なくありません。住宅ローンがなく、夫婦で年金を受け取れる家庭であれば、ある程度余裕のある生活ができると想像する人も多いでしょう。しかし実際には、医療費や住宅修繕費、生活費などが重なることで、資産は想像より早く減っていくことがあります。さらに、家計の管理をどちらか一方が担っていた場合、残された家族が思いがけない現実に直面するケースもあります。

葬儀費用の負担と、残された妻の暮らし

葬儀費用は、地域や葬儀の形式によって大きく異なります。近年は家族葬など比較的規模の小さい葬儀も増えていますが、それでも数十万円から100万円前後の費用がかかることもあり、遺族にとっては決して小さくない負担になります。突然の出来事の場合、費用の準備に苦労するケースも少なくありません。

 

恵子さんは、親族と相談しながら、できるだけ簡素な形で葬儀を行うことになりました。

 

「もっときちんと送りたかったという気持ちはあります」

 

それでも当時は、目の前の手続きと費用をどうするかで精いっぱいだったといいます。

 

その後、恵子さんの家計状況は大きく変わりました。

 

夫が亡くなったことで、夫婦で受け取っていた年金の一部は支給されなくなります。条件によっては遺族厚生年金が支給される場合もありますが、夫婦で受け取っていた金額より少なくなるケースが一般的です。恵子さんも、生活費の見直しを余儀なくされました。

 

「旅行にはもう行っていません。外食もほとんどしなくなりました」

 

「3,000万円あれば安心だと思っていました。でも、使っているうちに減っていくものですからね…」

 

旅行や日々の生活費、住宅修繕費など、どれも特別な出費ではありません。ただ、老後の時間は想像より長く、その中でお金は少しずつ減っていきます。

 

そしてもう一つ、恵子さんが感じたのは「家計を共有していなかったこと」の大きさでした。

 

「お金のことは、もっと夫婦で話しておけばよかったと思っています」

 

通帳の残高を見たときの驚きは、今でも忘れられないといいます。

 

老後の資金は「いくらあるか」だけではなく、「どう使い、どう管理するか」も大切です。夫婦で情報を共有しておくことが、いざというときの安心につながるのかもしれません。

 

 

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