この春、都内の私立大学に進学する息子。しかし、父の胸は晴れません。「あのとき浪人を許すべきだったのか…」。子どもの夢を尊重した代償として、家計と老後計画に重くのしかかる現実とは?

浪人生は1割強…親の老後計画にも影響

浪人生単体での人数調査はありませんが、文部科学省「令和4年度学校基本調査」によれば、2022年の大学入学者数は63万人超。このうち18歳以下が51.5万人、19歳以上12万人。単純計算では19歳以上は約19%になりますが、社会人入学なども含まれるため、実質的な浪人生は1割強程度と見られています。

 

そもそも、大学進学にかかる費用は、想像以上に大きいものです。生命保険文化センターの資料によれば、国公立大学で自宅通学の場合の4年間の教育費は約480万円。下宿の場合は約810万円となります。また私立文系の場合では自宅通学は約670万円、下宿となれば約980万円も必要となります。

 

そこに浪人の1年が加わると、負担はさらに増えます。大手予備校の費用、模試や教材費などを含めれば、1年間で100万円前後の出費になるのも一般的です。

 

社会に出るのも1年遅れ、場合によっては独立(家を出る)タイミングが遅れるケースもあるでしょう。また、上の子だけでなく下の子も浪人を希望すると、差をつけないために同じように浪人を許すしかなくなり、経済的に厳しくなってしまうというケースも聞かれます。

 

さらには、多くの場合、子どもに教育費がかかる時期と親の老後資金準備の時期は重なります。佐藤さんも、まさにそうです。大学4年間の学費を支払い終える頃には、60歳が見えてきて、さらに下の娘の進学も待っています。

 

浪人を認めるという決断は、単なる1年間の延長ではありません。学費や予備校費、そして家計への影響は現実として重くのしかかります。佐藤さんも、息子の希望を尊重した代償として、自分たちの老後資金計画や家計のやりくりを大きく変えざるを得ません。浪人は、子どもにとっての挑戦であると同時に、親にとっても大きな決断と覚悟を伴う現実なのです。

 

 

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