誰かに雇われている限り“ギリギリの額”しか稼げない
まず知っていただきたいのは、「労働収入のみで働き続けることが、どれほど損なのか」という事実です。
日本は資本主義の国なので、資本を持つ人が有利になる仕組みになっています。しかし、私から見て、多くの人は資本家ではなく、資本家に雇われる側を自ら選んでいるように見えます。少し俯瞰して考えてみましょう。
人間の身体能力は25歳くらいがピークで、そこから徐々に下り坂になります。平均寿命を仮に80歳くらいとすれば、働ける期間は20歳から65歳、定年延長したとしても70歳くらいまでです。その間に得られるお金は、労働収入の場合、経済学では「労働力の再生産コスト」と呼ばれています。
この「労働力の再生産コスト」とは何でしょうか。辞書で調べると、「労働者が明日も同じように働くために必要な最低限の費用」と書かれてあります。簡単に言えば、あなたが働き続けるために必要な最低限の生活費のことです。
たとえば、月末の財布の中身や銀行の預金残高を思い出してみてください。従業員であれば、給料が支払われる前には「今月もお金が足りない」「給料が支払われるまで、どう乗り切ろうか」と考えることが多いのではないでしょうか。毎月同じようにため息をついてしまいます。しかし、これはあなたのせいではなく、仕組みの問題なのです。
賃金を払う側は、あなたを「この仕事にふさわしい労働力」と判断して雇っていますが、賃金の額は「あなたが辞めずに働き続けられるギリギリの額」に設定されていることが多いのです。
たとえば、東京で暮らすなら、家賃はいくら、食費はいくら、光熱費や通信費はいくら、結婚や子育ての費用はいくらとざっくり計算し、「このくらいあれば生活できるだろう」というラインで賃金が決まっています。
だから、月末にはほとんどお金が残らないのが普通なのです。これは経営者が意地悪だからではなく、社会全体がそういう仕組みで動いているからなのです。
労働する限り避けられない「実質賃金」低下のリスク
これまで日本では物価や賃金が比較的安定しており、経済も基本的に右肩上がりだったので、労働者の不満は表面化しませんでした。しかし、現実を数字で見ると、日本人の賃金は1990年代後半をピークにして、現在はそれより15%程度低い水準で推移しています。
厚生労働省が発表する「毎月勤労統計調査」によると、2024年5月の実質賃金(物価変動を考慮した賃金)指数は前年同月比で2.1%減となり、これで26カ月連続のマイナスとなりました。これは1991年以降で過去最長の連続減少記録です。
労働収入に頼る限り、こうしたリスクは避けられないと思います。
嶋村 吉洋
実業家/投資家/映画プロデューサー
【注目のセミナー情報】
【国内不動産】3月21日(土)オンライン開催
税理士YouTuberヒロ☆氏が解説!
年間400万円の手取りUPも!?高所得者の「所得税対策」
【国内不動産】3月28日(土)オンライン開催
札幌希少エリアで実現!
民泊×セカンドハウス「ハイブリッド型」不動産投資
【関連記事】
■税務調査官「出身はどちらですか?」の真意…税務調査で“やり手の調査官”が聞いてくる「3つの質問」【税理士が解説】
■親が「総額3,000万円」を子・孫の口座にこっそり貯金…家族も知らないのに「税務署」には“バレる”ワケ【税理士が解説】
■「銀行員の助言どおり、祖母から年100万円ずつ生前贈与を受けました」→税務調査官「これは贈与になりません」…否認されないための4つのポイント【税理士が解説】

