(※写真はイメージです/PIXTA)

物価上昇と社会保険料の負担増が続くなか、「平均的な収入」があっても生活に余裕を持てない世帯が増えています。統計上は安定して見える家計でも、住宅費や教育費、税・保険料を差し引くと手元に残るお金は限られます。とくに出産や育休など収入構造が変わる局面では、家計のバランスが一気に崩れることもあります。

「子どもが生まれ、妻の収入は実質的になくなりますが…」

田中家には、実は来年子どもが生まれる予定です。奥様は現在妊娠3ヵ月で、今のところは在宅で勤務していますが、数ヵ月もすれば産休・育休に入ります。幼稚園に入るまでは仕事をせず、子育てに専念したい、というのは夫婦の総意でした。

 

「実質的に妻の収入はなくなるので、僕の『28万円』のなかでやり繰りしなければならない。今のうちに貯められるだけ貯めなきゃ、と焦っています。我が子には、大学までは通わせてあげたい。習い事だって塾だって行かせてあげたい。余っているお金なんてないんです」

 

給料がこの先今のまま変わらない……とは考えたくないものですが、たとえば学習塾だけを見ても、恐ろしい負担額であることがわかります。

 

“学習塾費用は年々増加傾向にあります。中学校の学習塾費用はバブル崩壊後の1994年、14万5540円でしたが、2000年には16万2357円と、2万円ほどアップ。そして2018年には20万2965円と、四半世紀あまりで3割増しといった状況です。

 

高校での学習塾費用は中学校のときほどではありませんが、1994年では7万4202円だったのが、2018年には10万6884円と、3万円ほど増加しています。”(関連記事『会社員、年収減も「学習塾費用3割増」天井知らずの教育費にため息』)

「平均収入・平均支出の暮らしぶり」の悲痛

『民間給与実態統計調査』(国税庁・令和6年)を見ると、1年を通じて勤務した給与所得者の1人当たりの平均額は478万円(男性587万円、女性333万円)です。内訳としては、平均給料・手当が403万円(男性491万円、女性287万円)で、平均賞与は75万円(男性96万円、女性47万円)となっています。

 

1人当たりの平均給与を年齢階層別にみると、男性では60歳未満までは年齢が高くなるにしたがい平均給与も高くなり、55~59歳の階層が最も高い給与を受け取る傾向にあります。

 

収入格差が深刻化する日本社会。「平均収入・平均支出」はそれぞれ約52万円、31万円ですが、実はボリュームゾーンにあたるのは年収「300万円超400万円以下」(825万人)の方々。さらに厳しい収入で日々を過ごす方が少なくないのです。

 

「お給料が上がれば…」という仮定のもとの人生設計・資産形成はキケンそのもの。自身の収支を冷静に直視し、「よりよく生きる」ことが求められていますが、日本人の給与額には、あまりにも厳しい現状が表れています。

 

 

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