高齢者の“老後移住”が抱える現実
国土交通省『令和5年度 高齢社会に関する意識調査(高齢期の住み替えについて)』では、高齢者が住まいに求める条件として「医療機関へのアクセス」「買い物の利便性」「交通機関の充実」など、都市部でこそ満たされる要素が多く挙がっています。
また、独居高齢者における孤独感や閉じこもり傾向が、心身機能の低下やフレイル(虚弱)につながるリスクも指摘されています。
「娘に『戻ってきてもいいんだよ』と言われたとき、正直ホッとしました」
その後、知子さん夫妻は、娘の近くに賃貸マンションを借り、田舎の家は売却しました。買値より300万円ほど安く手放すことになったものの、「心の健康には代えられない」と知子さんは話します。
「夢を叶えることも大事だけど、その後どう続けるかが一番難しい。元気なうちに気づけてよかったと思っています」
地方移住そのものが悪いわけではありません。ただ、移住後に直面する医療・交通の課題や、老後資金の再設計まで含めて事前に準備するには、相応の情報収集と計画が必要になります。
“夢の暮らし”が“孤独な日常”にならないために──人生の後半戦こそ、冷静で、柔軟な選択が求められているのかもしれません。
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