(※写真はイメージです/PIXTA)

定年を目前に控えた59歳。40年近く同じ会社で真面目に働いてきたものの、再雇用の条件を目にして感じたのは、「報われなさ」だった──。人生100年時代、60歳での定年が“ゴール”ではなくなったいま、企業で働くベテラン世代の多くが、再雇用制度の現実に戸惑っています。今回は、定年後の給与ギャップと将来不安に直面した59歳男性の実情を紹介します。

定年後に露呈する“努力では埋められない格差”

政府は「生涯現役社会」を掲げ、副業・兼業の推進や新NISA・iDeCoといった老後資金形成制度を整備してきました。しかし、現実には「余裕がある人向けの制度」という見方が根強いのも事実です。

 

「副業なんて、どこで何をしたらいいのかわからない。今さら新しいスキルもないですし、毎日の通勤だけでもしんどいのに、帰ってからまた働ける気がしません」

 

佐々木さんのように、「時間的にも体力的にも副業は無理」という人は少なくありません。

 

かつては「定年後はのんびり暮らす」という老後像が一般的でした。しかし現在はその前提が大きく変わり、60代でも働き続けることが当たり前の時代になっています。その一方で、長年会社に貢献してきたにもかかわらず、再雇用後に職位や給与、雇用形態などの待遇が大きく変わるケースも少なくありません。こうしたギャップに対し、「報われない」「やりきれない」と感じる人が増えているのが実情です。

 

「自分が若い頃、定年退職する人たちに花束を渡していたとき、“ああ、これで一段落だな”と思っていました。でも、今の自分には“終わり”が見えない。ずっと続く、なんとなくの生活が始まる気がしています」

 

佐々木さんは再雇用を断るつもりはありません。実際、ありがたい制度だと感じてもいます。ただ、「同じように働いて、半分しか評価されていない」ような気持ちが残り、心の中に引っかかり続けているのだと言います。

 

老後の格差は、もはや「努力不足」や「自己責任」だけでは片づけられない段階に入っています。個人の選択だけでなく、雇用慣行や制度設計、企業側の処遇方針といった構造的な要因が、60代以降の生活水準を大きく左右するからです。

 

「もうひと踏ん張り」と前を向けるか、それとも「もう限界」と感じてしまうか。その分かれ目は、年金受給が始まるまでの数年間を、社会や制度がどう支えられるかにかかっているのかもしれません。

 

 \2月7日(土)-8日(日)限定配信/
 調査官は重加算税をかけたがる 
相続税の「税務調査」の実態と対処法

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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