(※写真はイメージです/PIXTA)

「再就職して、やっと生活に余裕ができた」──そう安心していた矢先に届いたのは、「年金一部支給停止」の通知でした。物価高が続き、老後資金が不安視されるいま、年金をもらいながら働き続けるシニアは増えています。しかし、そこには思わぬ“落とし穴”がありました。

個人事業主なら“減額されずに年金が満額支給される”?

年金を満額受け取りつつ働く方法として、上田さんが注目したのが「個人事業主」や「フリーランス」という働き方でした。

 

会社に雇用されるのではなく、業務委託契約などの形で労働を提供すれば、厚生年金の被保険者とは見なされず、在職老齢年金の対象外となります。結果として、年金は満額受け取れる可能性が高くなります。

 

ただしこの方法には注意点もあります。

 

●高所得になると、国民健康保険料や住民税の負担が増える

 

●実態が「従業員と変わらない」と判断されると、厚生年金加入義務が生じる場合もある

 

働き方の“形式”だけでなく、“実態”も見られるため、専門家の助言を受けながら慎重に判断する必要があります。

 

在職老齢年金の減額を避けるために、収入の調整を行う人もいます。たとえば、年金22万円を受け取っている人なら、給与は月28万円までに抑えることで、制度の減額基準(月50万円)を超えずに済みます。「仕事のボリュームを調整し、年金を確保しながら働く」という考え方も、選択肢の一つです。

 

高齢者の労働参加が増えるなか、「年金をもらいながら働く」人は今後も増加が見込まれます。

 

内閣府『令和7年版 高齢社会白書』によると、65歳以上の就業者は21年連続で増加。65~69歳の就業率は男性62.8%、女性44.7%と、定年後も多くの人が働き続けています。しかし、年金制度の複雑さにより、制度を知らずに損をしてしまうケースも後を絶ちません。

 

人生100年時代。高齢期の働き方は、単なる「お小遣い稼ぎ」ではなく、「老後の生活設計の一部」になっています。在職老齢年金の仕組みを理解し、自分に合った働き方を選ぶことが、損せず長く働き続けるための第一歩です。

 

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