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富裕層は「コスト控除後のリターン」で考える
資産運用に際して忘れてはならないのが税金と手数料の存在です。富裕層は、常に「コストを控除したあとの手取りのリターン」で物事を考えます。どんなに表面上の利回りが高くても、税金やコストで目減りしては意味がないからです。
コストのひとつは手数料です。プライベートバンクやIFAへ支払う手数料は、売買の都度かかるコミッションなのか、資産連動型の報酬なのか、またその水準は適正なのか? ヘッジファンドやプライベートエクイティファンドに「2の20」の手数料を払っても、それに見合う十分なリターンが望めるのかなど、資産をたくさん持っているからこそ厳しく見極めます。
もうひとつのコストは税金です。富裕層にとって、資産運用の目的はお金を増やすことだけではありません。むしろ、自分や家族の手元に残る富を最大化することこそを重視します。
いくらハイリターンを謳う案件があっても、税金で利益を半分とられてしまっては意味がありません。また、高リスク資産で大儲けしても、翌年に大損して、しかも税優遇が受けられなければトータルではマイナスということすらあり得ます。
富裕層は、一般にこうした税金の影響をしっかり理解しています。
「税率の低い国に移住」を検討する富裕層も
日本の富裕層にとっては「確定申告が必要なのか、不要なのか」はお金を使う際に常に大きな判断材料となっていますし、それによって「個人で投資するのか、法人(資産管理会社)を使うのか」も判断しています。
個人で上場株式や投資信託、債券に投資する場合、源泉徴収ありの特定口座を使えば「確定申告不要、利益の20.315%」で課税関係が終了します。税率も低いし便利です。
一方で、利益が雑所得に分類されるような商品であれば、法人で投資したほうが税引後のリターンが大きくなる可能性が高いでしょう。
富裕層はまた、居住地の選択によって合法的に税負担を減らす工夫もします。国内外の税制を研究し、どのように資産を配置すればもっとも効率よく資産を維持・成長させられるかを考えるのです。場合によっては税率の低い国に移住することまで考える富裕層もいます。
富裕層の投資行動は一見特殊に思えるかもしれませんが、根底にあるのは「リスクを見極め、分散し、コスト控除後の手取りを考え、長期的・合理的に資産を増やし、守る」というシンプルな原則です。
規模が違うだけで、原理は通じます。一般の投資家も富裕層の投資のエッセンスを学び、自身の資産運用にぜひ活かしていきたいものです。
濵島成士郎
シニア・プライベートバンカー
株式会社WealthLead 代表取締役
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