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「選ばれし超・富裕層」だけに門戸が開かれる
歴史を振り返ると、外資系のプライベートバンクの日本市場への参入は、決して平坦な道ではありませんでした。
1980年代にシティバンクが日本でプライベートバンキングを始め、その後、HSBC(香港上海銀行)やソシエテ・ジェネラル(フランス)なども日本での富裕層ビジネスに参入してきましたが、必ずしも成功したとは言えず、撤退や事業規模の縮小を繰り返してきました。
理由はいくつかあります。第1に、日本では日系金融機関の営業パーソンと顧客との結びつきが強く、外資が割って入る隙が小さかったこと。第2に、日本の富裕層にリスク商品を売り込むのが難しかったこと(以前は、いまほど金融リテラシーが高くなく、安全志向が強かった)。第3に、日本市場特有の規制や商習慣への対応コストです。
外資系が自国で使っているITシステムが日本ではそのまま使えず、日本語対応のシステム構築や、日本の法制度への対応に多額の投資が必要だったことがハードルになりました。
こうした経緯から、外資系プライベートバンクの多くは、現在では日系金融機関との提携という形で国内プライベートバンクサービスを提供しています。
外資系プライベートバンクのサービスの実態を、UBSの例でお伝えしましょう。100億円の資産を持つ富裕層Bさんは、外資系金融機関であるUBSのプライベートバンクサービスを利用していますが、担当のプライベートバンカーは日本人です。
ポートフォリオの構築にあたっては、香港やチューリッヒのUBSチームとも連携し、米ドル建てのグローバル株式ファンド、ユーロ建ての社債ポートフォリオ、アジア新興国のプライベートエクイティなど多様な商品が提示されました。さらに、Bさんの興味に合わせて美術品を担保に融資を受けるスキームや、ヨーロッパのスタートアップ企業へのベンチャー投資などの提案もあったそうです。
ハワイの別荘購入もサポートしてくれ、スイス本店の専門部署と協力して、多国籍な資産にまたがる相続プランも提案されています。
Bさんは日常の国内取引では引き続き日系のメガバンクを使っていますが、グローバルな運用と資産保全の一部をUBSに任せることで、資産ポートフォリオの国際分散とリスクヘッジを実現しています。
外資系プライベートバンクは最低預入額が高いため、相当の超・富裕層でなければ門前払いとなります。逆に言えば、外資系プライベートバンクと取引することは、それ自体が一種のステータスシンボルであり、「自分は世界に通用する富裕層だ」という自負につながる側面もあるかもしれません。
外資系プライベートバンクは「選ばれし超・富裕層がグローバルに活用するサービス」と言えるでしょう。
濵島成士郎
シニア・プライベートバンカー
株式会社WealthLead 代表取締役
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