5年前、日本年金機構の「年⾦増えます」を信じ、建設現場作業員の男性が決断した「繰下げ受給」…70歳になって市役所の公務員から知らされた「非情な年金ルール」に失望【FPが解説】

5年前、日本年金機構の「年⾦増えます」を信じ、建設現場作業員の男性が決断した「繰下げ受給」…70歳になって市役所の公務員から知らされた「非情な年金ルール」に失望【FPが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

長生きリスクへの備えとして有効な年金の繰下げ受給。しかし、仕組みを理解しないまま選ぶと、受給開始後に失望しかねません。本記事では、佐竹正さん(仮名)の事例とともに、年金の繰下げ受給の手取りについて、FP相談ねっと・認定FPの小川洋平氏が解説します。※本記事は実話をベースに構成していますが、プライバシー保護のため、個人名や団体名、具体的な状況の一部を変更しています。

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繰下げは「失敗」だったのか?

では、佐竹さんの繰下げ受給は間違いだったのかといえば、そんなことはありません。

 

佐竹さんのもともとの年金額は月15万円、貯金も約200万円という状況のまま一人暮らしの老後に突入していたら、生活はかなり困窮していたはずでしょう。今回のケースを改めて精査すると、年金は年間約75万円増、税・国保の負担増は約19万円で、差し引きすると、実質56万円のプラスですので、老後の生活は少し楽になりますね。

 

貯蓄が乏しい人や、公的年金の受給額が少ない人にとって、「一生続く年金が増える」という点は非常に大きなメリットで、現役のころにできなかった資産形成の不足をカバーしてくれます。

 

佐竹さんにとって繰下げ自体は合理的な選択だったといえますが、問題は、税金や社会保険料の影響を事前に知らなかったことです。制度の仕組みを十分に理解し、デメリットも踏まえた活用をするようにしましょう。

繰下げすべき人、通常受給でいい人

厚生労働省『令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によれば、繰下げ受給を選択する人は年々増加傾向にあります。一方で、全体の割合でみると、老齢厚生年金の繰下げ受給者は全体の約2%。まだ少数派といえます。

 

現在は最長75歳まで繰下げ可能となり、最大84%もの増額が可能です。特に、貯蓄が少ない、個人事業主で年金額が少ない人にとって、繰下げは老後の資金計画を支える有効な制度です。一方で、税金や国民健康保険料、さらには介護保険料などへの影響を度外視して選ぶと、手取り額の少なさに失望しかねません。

 

十分な資産がある人は、無理に繰り下げて額面を増やす必要はなく、通常どおり65歳から受け取ればよいでしょう。

 

大切なのは、数字上の「損得」に固執しすぎないことです。自分の健康状態、現在の資産、そしてどのような老後を送りたいかという「ライフプラン」に合わせて選ぶことをお勧めします。

 

 

小川 洋平

FP相談ねっと

ファイナンシャルプランナー

 

 

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