グリーンランド買収騒動の本質――米国はなぜ他国の領土を「買ってきた」のか【国際税務の専門家が解説】

グリーンランド買収騒動の本質――米国はなぜ他国の領土を「買ってきた」のか【国際税務の専門家が解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

2026年に入り、ベネズエラ問題に続いてトランプ大統領による「グリーンランド買収」構想が再び注目を集めています。他国の領土を金銭で取得するという発想に、違和感を覚える人も少なくないでしょう。しかし、米国の歴史をひもとくと、領土拡大は武力だけでなく「買収」によって進められてきたという側面があります。しかもそれは、単なる土地の取得にとどまらず、法制度や文化までも引き継ぐ結果をもたらしてきました。『富裕層が知っておきたい世界の税制【大洋州、アジア・中東、アメリカ編】』の著書がある矢内一好氏がグリーンランド問題を理解するために、米国の領土買収の歴史を振り返ります。

アラスカ買収――「安すぎた取引」

1867年、米国はロシアからアラスカを720万ドルで購入しました。ロシアがクリミア戦争の戦費調達のためでした。ロシア側は財政難を背景に売却しましたが、その後の石油発見により、この判断を悔やむ結果となりました。

 

このアラスカ買収については、ジェフリーアーチャーが小説「ロシア皇帝の密約」を書いています。この小説では、アラスカの譲渡について、譲渡契約に買戻し条件が付されていたという仮想の物語を描いています。

デンマークから購入された米領バージン諸島

1917年、米国はデンマークから2,500万ドルで米領バージン諸島を購入しました。現在では、英領バージン諸島と並び、国際金融の文脈でも注目される地域となっています。

 

グリーンランド問題が今度どのように展開するのかは不透明ですが、米国の歴史的文脈から見れば、他国の領土を買収するという発想自体は、必ずしも異常なものではないと理解することもできるでしょう。
 

 

矢内 一好

国際課税研究

首席研究員

 

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