(※写真はイメージです/PIXTA)

老後に向けて十分な資金を確保し、「できるだけ減らさない」生活を続けてきた――。それは多くの人にとって、堅実で正しい選択に見えるでしょう。しかし、老後の安心は「貯蓄額の多さ」だけで決まるものではありません。使わずに守り続けたお金の先に、想像とは違う日々が待っているケースもあります。

老後資金を「使う設計」

厚生労働省の『国民生活基礎調査(2024年)』によると、高齢者世帯の55.8%が生活意識について「苦しい」と回答しています。

 

また、内閣府『高齢社会白書(令和7年版)』では、老後の満足度を左右する要因として「経済的余裕」だけでなく、「社会とのつながり」「余暇活動」が重要であることが示されています。

 

正夫さん夫婦は、その後少しずつ生活を変え始めました。

 

●月に一度は外食をする

●近場でも泊まりがけで出かける

●カルチャー講座に参加してみる

 

「お金を使うことに、最初は罪悪感がありました。でも、『これのために働いてきたんだ』と思い直すようになりました」(正夫さん)

 

老後資金は、「いくら残すか」だけでなく、「いつ・何に使うか」を含めて考える必要があります。特に健康なうちにしかできない体験や、人とのつながりは、後からお金で取り戻すことはできません。

 

「もっと若いうちから、少しずつ使ってもよかったのかもしれません。残すことばかり考えて、時間を使っていなかった気がします」(恵子さん)

 

老後の安心は、通帳の残高だけでは測れません。守ることと同時に、「使う勇気」をどう持つか――。そのバランスが、老後の日々の濃度を大きく左右するのかもしれません。

 

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※本記事のインタビューではプライバシーを考慮し、一部内容を変更しています。

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