「お金がなくても」買い物ができるクレジットカードの罪
【質問】
クレジットカードはどれがお得ですか?
給料日直後は1000円のランチなのに、給料日直前は立ち食いそばで済ませる、そんな感じの人は多いと思います。
しょせん、人間はお金の管理なんてできないんです。
「そんなことない!」って思いますか?
じゃあ、あなたは先月、クレジットカードでいくら使ったか即答できますか?
ざっくりとしかわからない人が多いと思います。クレジットカード会社から送られてくる明細を見ながら、レシートと突き合わせたりしている人なんて少ないのではないでしょうか。
たしかにクレジットカードは便利です。自動的に引き落とされるから楽ですし、お金がなくても購入できます。でも、結局明細を細かくチェックしなくなるので、いくら使ったかに意識が向かなくなるんですよ。
そこが私にとっては、クレジットカードのいちばん罪深い点だと思います。ですから、よくある「年会費ゼロ円」なんて広告にはまーったく踊らされません。
もちろん、お金の管理ができる人であればクレジットカードは使って大丈夫だと思いますよ。でも、月々いくら分クレジットカードを使ったか即答できないのであれば、いますぐ利用をやめるべきです。いずれお金を使うことに歯止めがきかなくなります。
クレジットカードはお金がなくても買い物ができてしまうし、自分の生活レベル以上のものも買うことができます。だから、お金を使っている気にならないんですね。
ある心理学の研究によると、クレジットカードは6割くらいしか払った気にならないそうです。つまり、1万円の買い物なのに6000円しか払った気がしないということ。
現金払いであれば、財布にお金がないなら買わないという決断ができます。でも、カードを持つと現金がないという物理的なストッパーがなくなるんです。
つまり、お金の管理ができない人がクレジットカードを持つと、払っている気もしなくなるし、物理的なストッパーがない分、どんどん支出が増え、悪くすれば借金地獄に突入してしまいます。
リボルビング払いは「借金地獄」への近道!?
「借金地獄」と聞いてもピンと来ないかもしれません。でも多いんですよ。
借金地獄というと、月々の返済が滞って怖い男たちに取り立てられ……みたいな姿をイメージするかもしれませんが、今は違います。現代の借金地獄というのはもっと知的なものになっていて、借り主に借金だと思わせないんです。
リボルビング払いなどがいい例だと思います。これは月々の支払額を固定して払う返済方法です。たとえば、カードで200万円の買い物をしたとします。それを毎月1万円ずつ返済していく、というかたちです。月々の返済額を少額に抑えられるので、お金がなくても返済していけるため若い人に人気です。
でも、これこそまさに借金地獄です。
知らないかもしれませんが、リボルビング払いの利息はなんと18%。1万円返済しても元本分の返済額は4000円で残りの6000円は利息なんです。これだと結局500回払わないと借金が返せません。500回って40年以上ですよ? これを借金地獄と言わずして、なんというんですか。
金融機関が一番うれしいことって何だかわかりますか?
それは、元本が減らずに利息だけもらうことです。そうすれば、半永久的にチャリンチャリンと彼らの懐にお金が入り続けるじゃないですか。だから、銀行やクレジットカード会社は私たちにずーっと借金をしていてもらいたくて、リボルビング払いのような仕組みをつくったんです。
このようなことを知っているからこそ、私は、クレジットカードを持ち歩きません。もちろんカード自体は持っていますよ。でもそれは、携帯電話料金などクレジットカード払いのみ対応というものにしか使いません。それ以外はすべて現金払いです。
自分の身体から、お金が出ていく感覚を強制的に植えつけ、いくら使っているのか常に把握しておきたいからです。そうでないと、世の中に五万とある、私のお金を狙う企業や国家などの搾取の対象になってしまいます。
【答え】
お得なクレジットカードなんてありません。いくら使ったかに意識が向かなくなるので、持つのはやめましょう。