NISAの利用はタバコの「ニコチン依存」と同じ!?
【質問】
NISAは投資初心者の味方ですよね?
はやりのNISA(少額投資非課税制度)に関心がある人もいると思います。でも、あれがどういう仕組みかわかっていますか?
NISAとは2014年1月にスタートした非課税制度で、投資金額が毎年100万円分までの株式投資や投資信託で得られた利益が最長で5年間、非課税になるものです(2015年9月現在)。
通常、株の売買時には20%の税金がかかりますから、消費者にはお得に見える仕組みです。でも、この制度はタバコのニコチン依存と同じような効果を狙って作られています。
ニコチン依存に陥っている喫煙者は、どんどんニコチンの量が多いタバコを身体が求めてしまいます。タバコには中毒性がありますからね。薬だって同じです。身体が慣れて効果が出なくなったら、どんどん強いものに手を出してしまいます。
要するに人間は慣れていくんです。
投資もまったく同じです。NISAの場合は、100万円から投資金額をスタートさせます。その金額の取引に慣れてしまうと、必ず150万円、200万円と投資額は増えていくんです。
100万円というNISAの枠を超えて投資を始めてしまったら証券会社の思うツボです。くどいようですが証券会社はあなたが儲けることに興味がありません。
おまけに、NISAで口座を開く際には、住民票などの個人情報が必要になります。100万円プラス個人情報を証券会社に渡すことになるんです。
今、「個人情報なんて知られても問題ない」と思いませんでしたか?
甘いですね。たとえば、登録した覚えのない会社からダイレクトメールが届くことがあると思います。あれは発送元の会社が名簿業者から名簿を買って、その名簿に記載されている人に手当たり次第送りつけているんです。彼らからすると、100通送って1通でも反応があれば十分利益が出る。
つまり、今の時代、情報が金になるんですよ。それなのに個人情報をタダで提供することがいかに危険なことか。タダで自分のものを進呈するなんて、私には耐えられません。
日経平均株価の上昇=日本の経済の上昇にあらず
日経平均株価が上がっている、なんてポジティブなニュースも出ているので、投資しようと思ったのでしょうか。それも危ない考え方です。
日経平均は225銘柄から算出された数値ですが、時価総額のトップ20くらいの会社で半分以上を占めていると思ってください。ソフトバンクとユニクロでほとんどを占めるというイメージです。
となると、ソフトバンクやユニクロの株価が伸びれば、一気に日経平均株価も上昇するんです。だから、別に日本の経済が上向きになったわけではなくて、単なるソフトバンク効果、ユニクロ効果ということが多いんですよ。それで景気がよくなった、株のやり時だ、と思うのは大間違い。素人の浅知恵です。
昔からいろいろな投資話があって、たしかに不労所得で財をなす人や運用で生活できる人もいますが、それはほんの一部ですから。
儲けたときのことは話しても、損したことを人は話したがらないので、損している人が圧倒的に多いのに、表に話が出てこないため、損するという印象を薄くしちゃってるんです。
株は、パチンコや宝くじと同じです。
それでも、三度の飯より株が好き、勉強する覚悟ができている、という人であればどうぞお好きに。証券会社の言いなりでいい、勝率が低くても賭けてみるという人を私は止めません。
一生懸命に働いて貯めたなけなしのお金を株につっこんでなくしてしまうようなことを、私だったら決してやろうとは思いません。むしろ、少しでもお金を「残す」ようにするにはどうしたらいいかを考えるのが自分のためになると私は思います。
【答え】
プロよりも勉強して、株だけで食っていくつもりなら止めません。でも、そうでないなら手を出さないのが賢明です。