(※写真はイメージです/PIXTA)

定年退職を迎えるということは、長年の仕事に一区切りをつけ、第二の人生に踏み出す大きな節目です。多くの人が、退職後の自由な時間や、夫婦での旅行、趣味への挑戦など、ゆとりある生活を思い描きます。退職金や年金、持ち家の完済など「経済的な備え」が整っていれば、なおさら“理想の老後”は現実のものになる――そう信じている人も多いのではないでしょうか。しかし、いざその日を迎えてみると、思いがけない現実に直面するケースも存在します。

「お疲れ様でした!」の直後に…妻から渡された封筒

「花束を受け取って、笑顔で会社を出たその足で、まっすぐ家に帰ったんです。『これからは第二の人生、旅行でもしようか』なんて、浮かれていました」

 

そう語るのは、神奈川県在住の川端雅史さん(仮名・60歳)。大手製造業の管理職として40年勤め上げ、定年退職を迎えた日、自宅に戻ると、玄関に立っていた妻から一通の封筒を渡されたといいます。

 

「最初は何かのお祝いかと思いました。でも、違ったんです。中には“離婚届”が入っていました」

 

突きつけられた現実に、目の前が真っ白になったと語る川端さん。妻からは「ずっと我慢してきた」「これ以上一緒に老後を過ごす自信がない」とだけ伝えられ、その後の話し合いもなく、離婚を求められました。

 

「思い返せば、兆しはあったのかもしれません。休日に会話が減っていたし、食事も別々に取ることが増えていた。でも、妻が不満を抱えているとは思っていなかったんです」

 

家計管理を一任していた妻は、離婚後に「財産分与」を求めることに。夫婦共有名義だった預貯金や有価証券なども分割され、川端さんの手元に残ったのは、約2,000万円の現金と、年金見込み月額20万円のみ。

 

「老後は悠々自適だと信じていました。退職後は夫婦で国内外を旅しようと話していたし、実際にパンフレットも集めていた。でも、全部ひとりで背負うことになるなんて…」

 

厚生労働省『人口動態統計』によると、2024年の離婚件数は約18万5千件。そのうち「同居期間が20年以上」の夫婦による離婚は約4万件にのぼり、近年はその割合がじわじわと増えつつあります。

 

離婚に際しては、民法上、婚姻中に築いた財産は「共有財産」として分与の対象となります。退職金についても、「将来受け取る見込みが具体的である」と判断されれば、分割の対象となる場合があります(判例あり)。

 

さらに2007年からは「年金分割制度」も導入され、公的年金(厚生年金の報酬比例部分)を夫婦で按分できる仕組みが設けられました。専業主婦やパート勤務だった配偶者でも、婚姻期間中に形成された厚生年金記録の最大50%を、自身の年金として受け取ることが可能です。

 

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