投資額はメンタルにも影響…ポイントは「夜ぐっすり眠れる金額」
枡本:実際に現金を使って暗号資産をはじめようと思った場合、たとえば1万円から100万円くらいの間だと、どれくらいの金額からはじめるのがいいんでしょうか? また収入の何%とか、何か基準とかってありますか?
松田:まず大事なのは、どのスタイルで投資をやるのかを決めることです。証拠金取引のように「トレーディング」をするのか、それともビットコインを買って「ガチホ(ガチでホールド:長期間保有し続けること)」するのか。これによって金額の考え方も変わってきます。
枡本:なるほど。
松田:たとえばトレーディングをやるなら、最初はできるだけ小さな金額、1万円でもいいですよ。それではじめた方がいいです。自分なりのやり方を試して、1ヵ月~3ヵ月くらい続けてみて、それでプラスになる方法が見つかったら、少しずつ金額を増やしていくのがベストですね。
枡本:確かに最初から大きく張るのは怖いですもんね。
松田:はい。金額が少ない方が、自分の感情をコントロールしやすいですから。変に見栄を張って「0.1BTCからいくぞ!」なんて無理する必要はありません。
枡本:なるほど。金額が大きいといつも気になってしょうがないですからね。
松田:そうなんです。大事なのは、コンスタントに利益を出せる方法を身につけること。それを確立してから少しずつ金額を増やしていく。そして、金額が増えてくると「怖さ」も出てきます。感情が乱れて判断ミスする人もいますから。
枡本:メンタルの問題って大きいですよね。
松田:ええ。私の感覚では、会社のお金を運用していても個人の責任でPL(損益)をしっかり管理できるのは10億円くらいまでです。それ以上になると、個人の責任では心がもたなくなって、夜眠れなくなってしまう人も出てきます。自分のお金だと冷静な判断ができる許容金額はもっと小さいでしょうね。
枡本:確かに。ボクはなけなしのお金でも不安で眠れない夜がありましたし。
松田:そうですね。人によってその「許容範囲」は違います。だからこそ、投資をはじめる金額の基準は、自分が夜ぐっすり眠れる金額が一番いいと思いますよ。
枡本:すごく、納得しました。ボクも安心して夜寝たいですから……。その感覚、大事ですね。
松田:ビットコインをガチホする場合でも同じです。「余裕資金でやる」というルールだけ守って、少しずつ増やしていくのがいいんです。急激に下がったときに、慌てて売っちゃうのが一番もったいないですから。
枡本:寝れない理由としては、日本が夜の間に、アメリカの市場で暗号資産の値が大きく動くじゃないですか。
松田:そうそう。朝起きたらビックリするような値動きがあったりして(笑)。
枡本:はい(笑)。なので、やっぱり安心して寝られる範囲が自分の投資金額の目安ですね。
松田:そうです。それが一番大事です。
松田 康生
楽天ウォレット株式会社 シニアアナリスト
桝本 誠二
クリエイターズアイ 代表取締役/ライター