登場人物
松田康生…楽天ウォレットシニアアナリスト。2018年より暗号資産交換業者で暗号資産市場の分析・予想に従事。
枡本誠二…五十路で初の資産運用・暗号資産投資に挑んだが、3ヵ月足らずで大損失。100万円失ったライター。
「マイニングで稼げるよ」という誘い文句に要注意
枡本:松田先生、「マイニング」ってよく聞くんですけど、あれって誰でもできるんですか?
松田:確かに言葉だけ聞くと「誰でもできる」ように感じますが、現実はそんなに簡単じゃありません。
枡本:えっ、そうなんですか?
松田:まず、ブロックチェーンには「パブリックチェーン」と「プライベートチェーン」があって、パブリックチェーンなら誰でも参加できます。ビットコインは、パブリックチェーンですのでマイニングも一応「誰でも参加可能」ではあるんですね。
枡本:じゃあ、やろうと思えばボクのパソコンでも?
松田:いや、それが問題でね。今のビットコインのマイニングには、国家レベルの電力と専用のマシンが必要です。
枡本:国家レベルって……?
松田:たとえば、ビットコイン全体のマイニングで使われてる電力って、オランダ一国と同じくらいって言われてるんです。それくらいの計算量を処理して、ようやく報酬がもらえる。
枡本:そんなにかかるんですか!
松田:はい。だから、普通の家庭用パソコンじゃあまったく歯が立ちません。昔はGPUっていう高性能グラフィックボードでマイニングしていましたが、今はもう通用しません。専用の「ASIC」という機械じゃないと勝負にならないんです。
枡本:専用機じゃないとダメなんですね。
松田:そのうえ、電気代もバカにならない。さらに、マシンは発熱するから冷却設備も必要で、たとえばシベリアの寒い地域でやってる企業もあるんですよ。
枡本:えっ、そんな世界なんですか……。
松田:そうです。だから、「マイニングで稼げるよ!」なんて話をしてくる人がいたら、ほとんどが詐欺だと思って間違いありません。中には本当の話もあるかもしれませんが、その違いがわかるくらいの知識が付くまでは絶対に手を出さないようにしてくださいね。
枡本:マイニング、コワイ。気をつけます……!
ステーキングにもご注意を
松田:今はステーキングっていう、もっと低リスクな方法もあります。自分の持ってる暗号資産をネットワークにロックして、その見返りに報酬をもらう方式。これなら誰でもできますが、それでもちゃんと理解した上でやらないとダメです。
枡本:なんでも簡単に儲かるわけじゃないんですね……。
松田:そうです。これまでにも言いましたが、初心者がマイニングとかICO(新規暗号資産の売り出し)とかに手を出すのは非常に危険。ステーキングに関しては金融庁の登録を受けた交換所が提供するサービスを利用する手はあります。知り合いとかSNSとかで勧誘されて手を出すことは絶対に避けてください。
枡本:確かに、ネット情報だと「誰でもできる!」って書いてあったりするから、つい……。
松田:そうそう。でも「誰でも参加できる」と「誰でも儲かる」はまったく別の話。そこを勘違いしてはいけません。
枡本:勘違いしてました。まずはトレードの勉強からはじめます!
松田:それが「億り人」への一番の近道かもしれませんね。焦らず一歩ずつ。
松田 康生
楽天ウォレット株式会社 シニアアナリスト
桝本 誠二
クリエイターズアイ 代表取締役/ライター