今回は、所有している土地に「建物がない」と税金が高くなる理由を見ていきます。※本連載では、六原まちづくり委員会、ぽむ企画の共著『空き家の手帖 放っておかないための考え方・使い方』(学芸出版社)の中から一部を抜粋し、貸し家をめぐるトラブルを回避し、大家さんの不安を解消する方法をQ&A形式でご紹介します。
Q.いっそ更地にしたら、いいのでは?
いっそ家を潰して更地にしたらどうやろ。管理が楽になるで。
ほな、駐車場にしよ。お金も入って一石二鳥や。
あんな路地奥にクルマが入るかいな。
A.建物がないと、税金が高くなるんです。
空き家を放置するのが問題なら、いっそ取り壊せば管理の手間も省けて
都合がいい……はたしてそうなのでしょうか。ここで関わってくるのが税金です。
居住用建物が建っている土地の固定資産税の課税標準は、200㎡以下の部分は1/6に、200㎡を超える部分は1/3に減免されます。住宅がなくなれば、建物を管理する手間も、建物にかかる固定資産税もなくなりますが、一方で土地にかかる固定資産税が6倍くらいまで上がるケースがあるのです。
壊さずに運用したほうが得になる場合もあるので、まずは今ある建物をどう利用できるかを模索した方がよいかもしれません。
六原まちづくり委員会
委員長
京都市東山区の六原学区に生まれ育つ。龍谷大学卒業。1987年、地元小学校のPTA参加を機に、家業の傍ら地域活動を行う。1993年、地域の消防団に入団。2000年より六原学区自治連合会事務局長。2011年に六原自治連合会内に六原まちづくり委員会を立ち上げるとともに委員長に就く。『空き家の手帖』では、まちづくり活動リーダーの“スガタニさん”として登場。
六原まちづくり委員会
http://rokuhara.org
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京都女子大学
准教授
鹿児島県生まれ。東京都育ち。東京理科大学大学院修士課程修了。博士(工学)。専門分野は建築計画・住宅計画。2007、8年度に地域の空き家に関する調査を行ったことをきっかけに、六原学区のまちづくりや空き家対策の研究および実践に携わる。京都市、京都府をはじめとする行政のまちづくりや空き家対策にも参画。『空き家の手帖』では、まちづくりに詳しい大学の先生“マチコ先生”として登場。
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寺川徹建築研究所
代表・京都府建築士会 一級建築士
京都府宇治市生まれ。カナダ・マギル大学大学院修士課程修了。大阪、カナダでの活動を経て帰国、寺川徹建築研究所設立。京都府建築士会の派遣を機に2011年より六原まちづくり委員会に参画。法制度や資金、住人の事情などを考慮した空き家改修スキームの提案や実施を推進。『空き家の手帖』では、建築家の“ケンさん”として登場。
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丸吉住宅
宅地建物取引士
京都市東山区の新道学区に生まれ育つ。空き家相談士。公認ホームインスペクター認定会員。京都市左京区の不動産会社である丸吉住宅に勤務。2011年より六原まちづくり委員会に参画。空き家の仲介と、契約や権利関係等の不動産取引にまつわる法制度面をサポート。『空き家の手帖』では、不動産業の“フドウさん”として登場。
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一般社団法人モノコミュ研究所
整理収納アドバイザー
兵庫県在住。整理収納アドバイザー1級。整理収納アドバイザー2級認定講師。(一社)モノコミュ研究所に所属し、同研究所による「空き家・空き家の予備軍の片づけプロジェクト」の一環として空き家の片付けセミナーや整理収納サポートを行う。六原まちづくり委員会でも同プロジェクトを実施。『空き家の手帖』では、片付けのプロの“セイコさん”として登場。
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