前回は、健全な頭皮を保つための髪の洗い方について取り上げました。今回は、発毛を促進させる効果が認められている「プロペシア」と「ミノキシジル」の作用について見ていきます。

脱毛を抑えるプロペシア、血管に作用するミノキシジル

現在、発毛に確実に効果があると認められている薬は2種類あります。内服薬のプロペシアと、外用・内服の両方があるミノキシジルです。発毛促進のいちばんの秘訣は、プロペシアとミノキシジルを併用することです。作用の異なる2剤を併用することで、お互いの成分に相乗効果が生まれるからです。

 

なお、2016年にはデュタステリドという有効成分を配合したAGA治療薬ザガーロが発売されましたが、まだ実績が浅いので今後を注視していきたいと思います。

 

●プロペシアの作用

 

プロペシアは、飲む発毛剤です。フィナステリドという成分が配合されていて、これが発毛効果を発揮します。およそ8割の男性が経験するとも言われているAGAの原因は、男性ホルモン。とくに、頭皮のジヒドロテストステロンが増加し、毛髪の成長サイクル(ヘアサイクル)を短くしてしまうのです。

 

プロペシアには、このジヒドロテストステロンの生成をじゃまする働きがあります。つまり、脱毛を抑えるのがプロペシアの主な作用メカニズムだと言えます。服用開始後、有効成分フィナステリドは、すぐに作用を発揮し始めます。しかし、髪の成長はゆっくり進むため、その効果があらわれるまでには、ある程度時間が必要です。

 

●ミノキシジルの作用

 

ミノキシジルは、塗る発毛剤「リアップ」(大正製薬)の成分として知られています。同じミノキシジル商品として海外には「カークランド」や「ロゲイン」があります。私自身が作戦決行当時に愛用していたのは、費用対効果の点からカークランド。風呂上がりにたっぷりと使って、頭皮をマッサージしていました。

 

また、ミノキシジルには、内服薬もあります。この飲むミノキシジルは、塗るタイプより作用が強く、発毛に非常に有効だと言われています。

 

ミノキシジルには、血管を拡張する作用があり、頭皮の毛細血管にも作用して、栄養を行きわたらせます。プロペシアが守っている髪を、ミノキシジルで育てるというイメージでとらえればよいと思います。

まれに男性機能に関する副作用が見られることも

●発毛剤の副作用は

 

プロペシアの有効成分フィナステリドは、5倍の用量で、前立腺肥大の治療に使われています。この薬で報告されている副作用には、胸の腫れ、唇の腫れ、発疹などがあります。プロペシア自体の副作用は極めてまれですが、性欲減退、勃起困難、精液量の減少といった男性機能に関するものがあります。

 

ミノキシジルは、外用薬と内服薬がありますが、成分は同じなので、どちらにも同様の副作用があります。ただし、塗るタイプを飲むと、副作用のリスクが上昇するので注意してください。具体的な副作用は、軽いかゆみと炎症があらわれる場合があること、まれに動悸や胸痛、手足のむくみといった症状があらわれることです。

 

薬の服用については、みなさん自身が、お医者さんに相談してください。

本連載は、2016年9月12日刊行の書籍『ハゲからの生還 なぜ、私はたった1年で「超フサフサ」になったのか?』(幻冬舎メディアコンサルティング)の本文から一部を抜粋したものです。

ハゲからの生還

ハゲからの生還

杉山 哲矢

幻冬舎メディアコンサルティング

「ハゲ」…それは男性にとって、非常にデリケートかつ切実な悩みでしょう。 本書では、かつてハゲに苦しめられ、様々な努力の末に「超フサフサ」を取り戻した著者が、自ら体を張って検証した「本当に効果のある薄毛治療」を…

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