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40代は「収入」、60代は「健康」…年齢と共に変わる優先順位
キャリアを見つめ直した医師たちは、その後のキャリア選択において何を重視するようになるのでしょうか。現在のキャリアで重視する点を尋ねたところ、全体では「収入の高さ」(29.6%)が最も多い回答となりました。この「収入」を重視する傾向は、特に40代(36.7%)と50代(34.1%)で高くなります。この年代は子どもの教育費や住宅ローンといった経済的な責任が重くなる時期と重なるため、収入がキャリア選択の重要な「ものさし」になると考えられます。
また「家庭との両立」を重視する割合は、30代で34.5%、40代では41.8%と突出して高くなっています。仕事と家庭の調和をいかに図るかが、この年代の医師にとって切実な課題であることが分かります。
そして、年代が上がるにつれて増えるのが「自身の健康」です。20~30代では2割未満ですが、60代で32.2%、70代では38.8%にまで上昇。長く医療現場に貢献してきたからこそ、キャリアを継続するための基盤となる健康の価値を強く意識するようになるのでしょう。
多様なキャリアパス時代の羅針盤、求められる年代別の支援
理想と現実の乖離、ライフステージの変化、そして移り変わる価値観。こうした複雑な要因が絡み合うなかで、多くの医師が自らのキャリアに迷いを抱えています。調査では、20代の39.1%、30代の45.9%、40代の40.7%が、キャリアに「迷いを感じている」、または「どちらかといえば迷いを感じている」と回答しました。
特に30代は専門医資格の取得、勤務先の選択、そして家庭との両立など、将来を左右する大きな決断が重なるため、迷いが生じやすい時期であると考えられます。また、中堅として管理的な役割も増え始める40代は、自身の専門性と組織から求められる役割との間で、改めてキャリアの方向性を見つめ直す時期なのかもしれません。
こうした迷いを抱える医師たちは、どのような支援を求めているのでしょうか。自由回答には数多くの声が寄せられました。ある医師は「いろいろな働き方をしている医師のメリット・デメリットを教えてもらえると不安が減る」と、多様なロールモデルに関する情報提供の重要性を指摘します。また、「自分が持っている専門性が市場でどれほど価値があるのかを教えてもらえると、医局に所属する以外の働き方が検討できる」(38歳男性)といった、客観的な市場価値の可視化を求める声もありました。その他にも、「信頼できるメンターの存在」といった相談体制の強化や、「学び直しの支援」、さらには「専門医制度に縛られないキャリアの積み方の支援」など、制度面の見直しを求める声も上がっています。
かつてのように、多くの医師が同じような道を歩む時代は終わりました。多様なキャリアパスが広がる現代だからこそ、一人ひとりの医師が自身のライフステージや価値観に合った道を選択できるよう、客観的な情報提供や相談体制といった支援の充実が、今まさに求められています。
[参考資料]
株式会社リクルートメディカルキャリア『医師のキャリア観に関する実態調査 20~40代の約4割超が「現在のキャリアに迷いあり」』
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