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だから株は「怖い」
月曜日、2人はモリタン製菓とメイポにそれぞれ買い注文を入れてから、職場に向かった。モリタン製菓は208円で1万株、メイポは6160円で300株だ。
家に戻って、パソコンで確認してみると、それぞれ注文は約定しており、しかも、終値はどちらも買い値より上だった。嬉しいことに、今日はオーバーロードハウスも上昇に転じ、3社分を合わせると、9万円も儲かっている。
「キャー。上がってるー。9万円♪ 9万円♪」姫奈は鼻歌を歌い始めている。
信二も嬉しい。
「株って、こんなに儲かるものなんだ」
この日からは、株価のことが気になって仕方がない。会社でも、トイレに行ってはスマホで株価を確認し、昼休み中も画面をじっと見てしまう。嬉しいことに、株価は3社とも上昇基調が強まり、週末には含み益が25万円にまで膨らんだ。
「私、もう会社辞めたくなっちゃう。1か月働いたって、手取りのお給料は20万円にもならないのに、たった1週間で、25万円も稼いでくれちゃった!」
株の怖いところはこれである。儲かる時は、想像を超えて儲かる。しかも、これを自分の実力と勘違いしてしまう。常に揺れ動く小さな船の上で、たまたま、近くを大きな船が通過して波がちょっと高くなっただけなのに、そんな偶然を、まるで自分の実力のように感じてしまう。そのくせ、損をした時は原因が自分にあるとは考えない。投資先企業や政治家のせいにして、自分の心が傷つかないようにする。
