「普通の暮らし」の老後破綻リスク
安藤さんは、これまでの生活が「いわゆる中流層」だったと自認しています。しかし、そんな“普通”の暮らしでも、老後の備えが甘ければ簡単に不安定になると気づかされたといいます。
「若い頃は“老後破綻”なんて自分には無縁だと思っていました。でも、年金だけに頼れない今、想定より長生きしたら? 想定外の出費が続いたら? …そう考えると、今さらながら準備不足だったなと」
貯蓄は退職金と合わせて3,000万円弱。しかし安藤さんは「投資は怖い」として預金中心にしてきました。
「周囲はNISAを始めていましたが、結局やらなかった。元本割れが怖くて。結果的に利息はほとんどつかないし、今となっては“もったいなかったかな”とも思います」
「もし65歳で年金月20万円もらえたとしても、夫婦2人で暮らすには足りないと思っています。あと10年働けたら、老後もだいぶ違うかもしれません」
今は「体が動くうちは働き続けたい」と考える安藤さん。理想の老後像を見直しながら、“守りの資産形成”を続けていく構えです。
