マンション市場に何が起こっていたのか?
2014年頃にマンションを購入して10年後の2024年に売却した人に限らず、都心部などでは2013年以降現在までの価格上昇に乗って売却した多くの人が、相当の売却益を得ているといえます。
2010年に購入して2025年2月に売却した人はさらに売却益が多いでしょう。2014年から現在にいたるまでに、マンション市場に何が起こっていたのでしょうか?
2014年当時もマンション価格は上がっていて、価格の上昇が落ち着くまで購入を見合わせるかと迷っていた人もたくさんいました。
2014年は、東日本大震災からの復興や東京オリンピック開催に向けたインフラ整備のための建設現場人員不足による人件費の高騰、資材価格の高騰による建築工事費上昇、土地価格の上昇、世界から見た日本の不動産の割安感からの海外投資家による不動産買い、そして住宅ローン低金利の影響などがありました。
当時、中古マンションの価格も上昇していた背景には、新築マンション価格の上昇により予算が合わなくなった層が中古マンション購入へシフトしたことや、日経平均株価上昇により株価と価格が連動する傾向のある都心中古マンションを中心に価格上昇が続いていたこと、そして低金利により住宅ローン返済額が抑えられて、より価格の高い物件が購入可能となったことなどがありました。
中古マンション価格は2010年比で2倍超えに
しかし、この10年で、日銀のマイナス金利導入や、当時は想像もしていなかった新型コロナウイルス感染拡大による無制限金融緩和、加えてロシアのウクライナ侵攻にともなう資材価格のさらなる高騰や世界中の国々の急激なインフレ、円安の進行などがあり、現在では新築マンションはついに平成バブル期の価格を超えるまでに上がってしまっています。
中古マンションの平均価格は国土交通省の公表した不動産価格指数(住宅)によれば、2010年を100とした場合、2024年10月時点で206.9となり、この14年間で2倍を超えるまで高騰しています[図表1]。
また、賃貸物件の賃料についても、諸物価の上昇にともなって上がり、東京23区の賃料は2025年2月に過去最高を更新しました(LIFULL HOME’Sマーケットレポート2025年2月版による)。

