(※写真はイメージです/PIXTA)

老後の生活を支える柱となる「公的年金」。受給開始年齢を早める「繰り上げ受給」は、一時的な収入確保に役立つ一方で、将来的に支給額が減るリスクも伴います。物価上昇や医療費の増加が続く今、「早くもらって得をしたはずが…」と後悔する人も少なくありません。制度の仕組みと判断ポイントを見直しましょう。

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    年金「繰り上げ・繰り下げ」の違いと判断ポイント

    老後の年金は「65歳支給開始」が基本ですが、以下のように自分で受給開始年齢を選べる制度になっています。

     

    ■繰り上げ受給(60歳~)

    1ヵ月早めるごとに0.4%ずつ減額

    最大で24%の減額(60歳受給の場合)

     

    ■繰り下げ受給(66~75歳まで)

    1ヵ月遅らせるごとに0.7%ずつ増額

    最大で84%の増額(75歳受給の場合)

     

    ◆判断のポイント

     

    健康状態:長生きが見込まれるなら繰り下げがお得

     

    働き続けるかどうか:収入があるなら繰り下げとの相性◎

     

    手持ち資産:貯蓄が潤沢でない場合は繰り上げも選択肢

     

    ◆「繰り上げ」で後悔しないための3つのアドバイス

     

    【繰り上げは“最後の手段”と考える】

    繰り上げは一度決めると原則取り消せません。手元資金が本当に尽きたとき以外は慎重に。

     

    【できるだけ短時間でも働き続ける】

    多少の収入でも生活の支えになります。就労は心身の健康維持にもつながります。

     

    【繰り下げも“リスク分散”になる】

    夫婦どちらかが繰り下げておくことで、片方の年金が増額され、長生きリスクへの備えになります。

    老後資金の見直しは「今」からでも遅くない

    「今さら遅いかも」と感じている人も、家計を見直すことや、パートや副収入を検討することで立て直しは可能です。繰り上げ受給を選んだとしても、「今からどう行動するか」が大切。

     

    老後の不安を抱える全ての人にとって、制度を正しく理解し、柔軟に対応する姿勢が、安心した暮らしへの第一歩になるかもしれません。

     

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