同居をするならいつからがいいですか?
「親の介護が始まったら同居」は危ない発想
親の介護が始まったから同居する、という選択はおすすめしません。一方、介護は関係なく、いずれ実家に戻ることや親と同居することを考えているのであれば、今すぐ同居を始めることをおすすめします。
「介護が始まったから、同居する」という選択をおすすめしない理由は2つあります。一つは虐待のリスク、もう一つは介護離職のリスクです。
厚生労働省が令和5年に行った、被虐待高齢者と虐待者との同居・別居状況に関する調査を見ると、「虐待者のみと同居」が53.1%で最も多く、「虐待者及び他家族と同居」の32.9%と合わせると86%(1万5,018人)の被虐待高齢者が虐待者と同居していたことがわかります。
関する調査結果(添付資料)」(厚生労働省)
同居状況と離職意図の関係
もちろん、これは同居をすると虐待をしてしまうという話ではありません。しかし、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、介護をしている人のうち仕事を「続けられない」と感じていると回答した人の割合は、介護になる前から同居をしていた人の場合は8.1%であるのに対し、介護を機に同居を始めた人においては4人に1人(25%)と、3倍以上の差が出ています。慣れない環境や介護の負担が同時に押し寄せているからでしょうか。
このような負担感が介護離職につながるだけでなく、虐待行為に結びつきやすいことは想像に難くありません。同居をするなら介護が始まる前、早いに越したことはないのです。
の課題─」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
