虐待に繋がるリスクも…「親の介護が始まったから同居する」という発想が危険なワケ【介護離職防止対策アドバイザーが解説】

虐待に繋がるリスクも…「親の介護が始まったから同居する」という発想が危険なワケ【介護離職防止対策アドバイザーが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

介護に関して、いつから準備すればよいか・親との同居はしたほうがいいか……解決しにくい疑問は数多くあります。本記事では和氣美枝氏の著書『介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと』(翔泳社)から一部抜粋・編集し、いつからどのような介護準備を始めればよいか、詳しく解説します。

同居をするならいつからがいいですか?

「親の介護が始まったら同居」は危ない発想

親の介護が始まったから同居する、という選択はおすすめしません。一方、介護は関係なく、いずれ実家に戻ることや親と同居することを考えているのであれば、今すぐ同居を始めることをおすすめします。

 

「介護が始まったから、同居する」という選択をおすすめしない理由は2つあります。一つは虐待のリスク、もう一つは介護離職のリスクです。

 

厚生労働省が令和5年に行った、被虐待高齢者と虐待者との同居・別居状況に関する調査を見ると、「虐待者のみと同居」が53.1%で最も多く、「虐待者及び他家族と同居」の32.9%と合わせると86%(1万5,018人)の被虐待高齢者が虐待者と同居していたことがわかります。

 

出典:「令和5年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に 関する調査結果(添付資料)」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001366830.pdf)
[図表1]令和5年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に関する調査結果 出典:「令和5年度「高齢者虐待の防止、高齢者の養護者に対する支援等に関する法律」に基づく対応状況等に
関する調査結果(添付資料)」(厚生労働省)
 

同居状況と離職意図の関係

もちろん、これは同居をすると虐待をしてしまうという話ではありません。しかし、独立行政法人労働政策研究・研修機構の調査によると、介護をしている人のうち仕事を「続けられない」と感じていると回答した人の割合は、介護になる前から同居をしていた人の場合は8.1%であるのに対し、介護を機に同居を始めた人においては4人に1人(25%)と、3倍以上の差が出ています。慣れない環境や介護の負担が同時に押し寄せているからでしょうか。

 

このような負担感が介護離職につながるだけでなく、虐待行為に結びつきやすいことは想像に難くありません。同居をするなら介護が始まる前、早いに越したことはないのです。

 

出典:「労働政策研究報告書 No.204 再家族化する介護と仕事の両立─2016年改正育児・介護休業法とその先 の課題─」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)(https://www.jil.go.jp/institute/reports/2020/0204. html)
[図表2]労働政策研究報告書 No.204 再家族化する介護と仕事の両立─2016年改正育児・介護休業法とその先の課題─ 出典:「労働政策研究報告書 No.204 再家族化する介護と仕事の両立─2016年改正育児・介護休業法とその先
の課題─」(独立行政法人 労働政策研究・研修機構)
 

 

【12/18(木) 『モンゴル不動産セミナー』開催】

坪単価70万円は東南アジアの半額!! 都心で600万円台から購入可能な新築マンション

次ページ介護が理由で「不利益な取扱い」を受けることは法律で禁じられている

※本連載は和氣美枝氏の著書『介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと』(翔泳社)から一部抜粋・再編集したものです。

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと

和氣 美枝

翔泳社

「介護が気になるけどキャリアを諦めたくない」 「仕事を辞める前に考えておくべきことって?」 “これから”を決める前に知っておきたいこと! ---------- ▼こんな人におすすめ ・仕事も介護も諦めたくない人 ・…

カインドネスシリーズを展開するハウスリンクホームの「資料請求」詳細はこちらです
川柳コンテストの詳細はコチラです アパート経営オンラインはこちらです。 富裕層のためのセミナー情報、詳細はこちらです 富裕層のための会員組織「カメハメハ倶楽部」の詳細はこちらです 不動産小口化商品の情報サイト「不動産小口化商品ナビ」はこちらです 特設サイト「社長・院長のためのDXナビ」はこちらです オリックス銀行が展開する不動産投資情報サイト「manabu不動産投資」はこちらです 一人でも多くの読者に学びの場を提供する情報サイト「話題の本.com」はこちらです THE GOLD ONLINEへの広告掲載について、詳細はこちらです

人気記事ランキング

  • デイリー
  • 週間
  • 月間

メルマガ会員登録者の
ご案内

メルマガ会員限定記事をお読みいただける他、新着記事の一覧をメールで配信。カメハメハ倶楽部主催の各種セミナー案内等、知的武装をし、行動するための情報を厳選してお届けします。

メルマガ登録