介護離職したらどうなりますか?
介護離職の多様なリスク
三菱UFJリサーチ&コンサルティングが行ったアンケート調査によると、「手助・介護」を機に仕事を辞めた場合、精神・肉体・経済いずれの面においても負担が増えることが明らかになっています。
仕事を辞めると、当然ながら経済的に不安定になります。また、経済的に余裕がなければ、介護サービスの利用などを控えるようになり、自らの身体を使って介護をするようになるので、肉体的な負担も増えます。加えて、こうした状況は精神的不安を助長することになります。
裏を返せば、「経済的に余裕があれば介護離職してもいい」かのように思えるかもしれません。確かに、お金があれば精神的負担や肉体的負担を解決できることもあります。
しかし、離職することによるデメリットは金銭だけではありません。離職して仕事との接点が希薄になることで、「社会人基礎力」の低下リスクがあるのです。
復職が難しくなる可能性も
社会人基礎力とは、「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」(経済産業省)です。人生100年時代の働き手は、業界等の特性に応じた能力(アプリ)と、社会人としての基盤能力(OS)を常にアップデートし続けていくことが求められます。
アップデートの場は必ずしも会社だけではありませんが、離職後の生活はアップデートの機会が限りなく減ります。ゆえに、離職期間が長くなれば、おのずと復職に支障が出る可能性があることに注意が必要なのです。
