仕事を辞めたら楽になるという誤解…1年に10万人以上が「介護離職」するも、その先に待つ「三重苦」【介護離職防止対策アドバイザーが解説】

仕事を辞めたら楽になるという誤解…1年に10万人以上が「介護離職」するも、その先に待つ「三重苦」【介護離職防止対策アドバイザーが解説】
(※写真はイメージです/PIXTA)

高齢化が進む現代社会において、家庭内における介護問題は他人事ではありません。介護を自分で行う場合には、離職を検討する場合もあるでしょう。そこで、介護と離職はどのような関係にあるのか、専門家の視点からデータを見てみましょう。本記事では介護離職の観点からアプローチしてきた介護離職防止対策アドバイザー(R)、和氣美枝氏の著書『介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと』(翔泳社)から一部抜粋・編集し、介護離職のリアルをお届けします。

介護離職している人はどれぐらいいますか?

1年で10万人が介護離職?

介護離職をしている人は、現在の日本にどれくらいいるのでしょう。

 

令和4年「就業構造基本調査」によると、過去1年以内に前職を離職した者のうち、「介護・看護のため」を理由とした離職者は10万6,200人(令和3年10月以降)となっています。

 

またこれにくわえ、退職理由を「家族の介護」と申告していない場合もありますので、実際の介護離職者はもっと多いことが予想されます。

 

同調査によると「前職の離職理由」で最も多かったのは「労働条件が悪かったため」72万8,300人(令和3年10月以降)です。その中に、「仕事と介護の両立をしたくても、残業が多くて続けられなかった」という人などが含まれている可能性もあるのです。

 

出典:総務省統計局(https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/index2.html)
[図表3]令和4年 就業構造基本調査結果 出典:総務省統計局
 

 

介護離職から再就職まで

しかし、ここで紹介されている数字は、あくまで「離職」の数です。その中には転職者も含まれており、全員が今なお無職というわけではありません。

 

また、少し期間を置いてから再就職している方も少なくありません。三菱UFJリサーチ&コンサルティング「令和3年度 仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業報告」によると、「手助・介護」のために仕事を辞めてから6か月以内に再就職した人のうち、62.3%は「正社員」として採用されています。

 

そして、再就職した理由の1位は、「仕事と『手助・介護』の両立が可能な職場だった」からとなっています。介護離職は、あなた自身のキャリアデザインを考えるきっかけになるかもしれません。

 

出典:「厚生労働省委託調査 令和3年度 仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者アンケート調査結果 報告書」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)(https://www.mhlw.go.jp/content/11900000/000988661.pdf)
[図表4]厚生労働省委託調査 令和3年度 仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者アンケート調査結果 出典:「厚生労働省委託調査 令和3年度 仕事と介護の両立等に関する実態把握のための調査研究事業 労働者アンケート調査結果報告書」(三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社)
 

 

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※本連載は和氣美枝氏の著書『介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと』(翔泳社)から一部抜粋・再編集したものです。

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと

介護離職が頭をよぎったら整えたい 仕事・家庭・自分自身のこと

和氣 美枝

翔泳社

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