換金性が高く、価格暴落の心配も少ない!?
現状の日本ではまだ、コインを投資の対象として考えている人は多くありません。どちらかといえば、古銭や切手収集のようなマニアックな趣味というイメージが定着しています。しかし海外のアンティークコインは、市場が全世界に広がっており、換金性が高く、価値が極端に下がることはないといった特徴から、一般の投資家に知られることのない資産防衛の「奥の手」として人気なのです。
アンティークコインと一口に言っても、アメリカや中国、南米など様々な国の銘柄が存在します。その中で特に運用効率がよいのはイギリスやフランスなどヨーロッパのコインです。
ヨーロッパコインは、紀元前にまで遡る歴史や現存枚数によって価値が裏づけられています。たとえばローマ帝国などの統治者が代替わりする度に、前権力者の権威を象徴する通貨などは破棄されるのが通例でした。そのため他国のアンティークコインと比べても希少性が高くなります。
このような背景から独自の価値を有しているため、現代の経済環境の変化に左右されて価格が暴落することも決してありません。実際、2008年のリーマンショックであらゆる相場が暴落した中でも、レアでグレードの高いヨーロッパコインはむしろ価値が上昇しました。ギリシャ危機やイギリスのユーロ離脱など、様々な出来事によって金融市場の相場が乱高下している現代においては、資産を守るための最適な投資商品といえるでしょう。
2014年以降、日本でも取引が進むアンティークコイン
加えて言えば、コレクションとしての魅力も価値が安定して上昇していく理由のひとつです。たとえば「ウナとライオン」は、世界一とうたわれた彫金師によってデザインされており、息をのむような美しさを湛えています。しかも、過去に王侯貴族などが手にしていたものが自分のものになる喜びやロマンは、金融商品や不動産では絶対に味わえません。こうしてその魅力に取りつかれた富裕層が次から次へとコインを欲しがり、また価値を高めていくのです。
現在、アンティークコインは世界中に20万種類あると言われており、アメリカ、ヨーロッパでは主要なコインフェアやオークションが毎月あるいは毎週のように開催され、そのたびに数億円単位のお金が動いています。また市場規模も年々拡大しています。
日本におけるアンティークコインの取引も、2014年頃から少しずつ盛んになってきました。しかし新たに投資を始めようという人にとっては、20万種類もあるコインの中から値上がりするものを選び、実際に手に入れることは簡単ではありません。コインのコンディションによる適正価格がわかりにくいこともありますし、一部のコインについては偽造品が出回っていることも事実です。
そこで、アンティークコインの魅力を知る入門書として、またコイン投資のガイドとして執筆したのが本書『海外富裕層がやっている“究極”の資産防衛 アンティークコイン投資入門』です。