資金調達の王道は銀行融資
以前とは違って、資金調達の選択肢もずいぶん広くなってきました。
そのなかで、もっとも成功の可能性が大きく、使い勝手もすぐれているのが銀行融資です。つまり、銀行とのつき合い方こそ、資金調達の基本なのです。
ここではまず銀行のビジネスモデルについてまとめていきます。
金融機関は決していやいや資金を貸し出しているのではありません。預金などで預かったお金をまとめ、企業などへ貸し出して金利を取り、そこに生じる預かり利息との差が収益となるというのが銀行のビジネスモデルです。つまり、銀行から融資を受けるのは、銀行にとっての飯の種を提供することなのです。
特に近年は日銀のゼロ金利政策があった影響もあり、多くの金融機関が積極的に融資実績を積み上げていきたいと考えています。もちろん、ビジネスである以上、貸し倒れになっては元も子もありませんから審査は必要です。ただし、これも需要と供給の関係が影響します。多くの銀行は融資実績を増やしたいと考えていますから、現状では、銀行融資のハードルは決して高くないといっていいでしょう。
次に、一般的に銀行融資の際、どのような用意や準備が必要になるのかを簡単にまとめます。
1.必要な融資希望額を明確にする
手元資金は多ければ多いほどいいので、本音では借りられるだけ借りたいはずです。
ただし、手続きとしては、必要な資金用途と確実に返済ができる財源などから算出した融資の希望額を決めます。
2.融資審査に向けた必要書類の準備
銀行は極端に貸し倒れを怖れます。ここで必要なのは、そのような不安を解消できる、会社の財務状況が分かる書類です。ポイントは、審査が有利になるように書類を整えること。これについてはあとで詳しく説明します。また、事業計画に連動した資金繰り表も必要です。さらにもう一つ、納税証明が必須です。税金の適正な納付を行っているのは、金融機関からの融資を受けるための大前提なのです。
3.担保と保証人
現在では絶対条件ではない場合もでてきましたが、融資といえば担保と保証人を用意する必要があります。特に、通常は最初に保証人になることを求められる経営者自身の信用情報は重要です。問題がないことを確認しておきましょう。
4.融資しやすい状況の構築
融資を依頼するより、銀行側から融資をもちかけられるほうが圧倒的に有利です。可能であれば、こちらから依頼するのではなく、金融機関側から融資の話があるような状況を準備しておきましょう。そのためには日頃からの銀行とのつき合いがものをいいます。入出金がある取引口座を開いたり、預金の積立を行ったりといった、将来の融資につながる種子は、できるだけ早い時期からまいておきたいものです。
菅原 由一
SMG税理士事務所 代表税理士
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