年商10億円を超える企業は一握り
「成功している企業」とは一般的にどのような企業でしょうか。ここではまず、具体的に成功といわれる年商の目標値を説明していきます。
一般的に、成功企業の成長の目安は、年商3億円、5億円、そして10億円といわれます。たしかに、総務省の「事業所・企業統計調査」や中小企業庁の「中小企業実態基本調査」などを参考にすると、年商10億円を超えるのはわずか3%超程度。もう一段規模を下げて、5億円以上の企業を加えても、その割合は5%に達しません。会社が100社あったとしたら、10億円以上の売上があるのはほんの3社程度なのです。もちろん年商10億といっても業種によってそのハードルの高さはまるで違いますが、ここはシンプルに考えましょう。
企業の成長は、最終的には「人材」がカギを握ります。人材を抜きにして10億円企業はありえないと思っています。なぜならどれほど能力の高い人でも、自分一人で事業を回し続けられるには限界があるからです。
スタートアップ期を乗り越えた企業であれば、人が育ち、社長がマネジメントに徹することができる環境ができているはずです。むしろ、マネジメントに徹し、資金をどこから調達してどこに投入するのか? こういったことができることで10億円の年商が目に見えてくるのです。
例えば、ホームページ制作会社でいえば、創業の枠組みを超え、システム開発やECサポートなどの関連分野へ事業を広げる段階かもしれません。
スーパーマンだった社長を代表に、それまでは「一人で何役も」を務めていた創業社員たちが、次第に役割と権限を分散できるような会社の形を作っていかなければなりません。社員数も増え、営業や総務、事業、製造業であれば製造など、個人ではなく共同体の企業の動く環境が整っていきます。
こうした基盤が出来上がったところで、さらに上を目指した先に達成できるのが年商10億円といえます。成長へのベースが出来上がったところで、経営者のマネジメントのもと、人材たちに活躍してもらうためにこそ、余裕のある資金繰りが大きな意味をもってくるのです。
多くの会社があるなかでも、年商10億円企業は一握り。それにはそれなりの理由があるのです。
