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マンション管理への「無関心」が引き起こす問題
たとえば、管理会社のフロントマネージャー(マンション運営に関する業務や管理人の監督、理事会や総会の運営をサポートする管理会社の社員)が、総会や理事会で「修繕積立金を値上げしないと、工事費用が不足しますよ」とアドバイスしたとします。
マンションの管理に興味のある人なら、興味を持ってその話を聞くでしょうが、無関心な人だと「ランニングコストが増えるのはイヤ」としか思わないかもしれません。そのような人が多数を占めれば、修繕積立金の値上げは実行できないので、必要な工事が行われなくなってしまいます。
また、高齢者世帯の多いマンションなどでは、長年ずっと同じ人が管理組合の理事長を務めているケースもあります。多くのマンションでは、規約で理事の任期は1〜2年などと定められていますが、こういった規約がないマンションでは同じ人がトップに立ち続けても問題ありません。
しかし、ワンマン体制が続くと理事長が工事業者などと結託し、不要な修繕工事を発注する(住民のコスト負担が増える)などの問題が起きるケースも。ほとんどの住民が管理に無関心だと、知らず知らずのうちにこのような被害に遭うリスクもあるのです。
マンション管理へのリテラシーが多くの入居者に必要なワケ
マンション管理について勉強し、正しい知識を持っている人がいたとしても、それが一人だけだとあまりうまくいかないケースも見受けられます。
これも実際にあった話ですが、マンションを守るために必要だと信じて修繕積立金の値上げを提案した人(仮にAさんとしましょう)が、管理会社との癒着を疑われて、何者かに怪文書を回される事態になったという事例がありました。結果、Aさんは住みづらくなって他所へ引っ越す羽目に。
第三者の目から見ると、Aさんは何も悪いことをしていない、正論を唱えただけの被害者なのですが、そのマンションには管理に関心がなく、ただただ目先のランニングコストが増えることを嫌がる人がいて、Aさんを加害者と見なしたのでしょう。多数の無関心層を相手に孤軍奮闘するのは容易ではありません。
管理組合がうまく回っていて、住民の管理への関心も比較的高いマンションは、その雰囲気をリードするキーパーソンが複数人いるものです。あるいは、マンション管理士などの専門家を入れるのも有効です。専門家を招聘したり、勉強会を開いていたりするマンションは、管理に対する意識が比較的高いと考えられます。また、管理組合の総会の出席率が高いマンションもポイントは高いです。
