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タンス預金のリスク
高齢者の中には、まとまった現金を自宅で保管している人も少なくありません。「銀行が破綻したら困る」「誰かに預金をみられるのが嫌だ」といった理由から、口座に入れずに現金で保有し続けるケースもあります。
しかし、こうした「タンス預金」には多くのリスクがあります。たとえば空き巣に狙われたり、火災で焼けてしまえば財産を失ったりといった事態が考え得るでしょう。さらには、今回のように家族になんの引継ぎもないまま亡くなってしまえば、発見すらされずに処分されてしまう恐れもあります。
一方、銀行に預けたお金は、万が一銀行が破綻した場合でも、預金保険制度により1,000万円とその利息まで保護されます。また、終身保険や一時払保険などを活用すれば、相続時にスムーズに受け取ることができる資産として活用可能です。
現金は、いざというときにすぐ取り出せる数万円程度あれば十分でしょう。それ以上の金額を保有するのであれば、目的やリスクに応じて預金、保険、投資信託など適切な方法で分散管理しておくことが大切です。
他人事ではない「隠された資産」のトラブル
総務省統計局の「家計調査(貯蓄・負債編)」によると、世帯主が70歳以上の世帯では、約8.7%が「自宅に現金を保管している」と回答しています。また、相続手続きの際に現金の所在が不明でトラブルになるケースも少なくありません。
今回のように、座布団の中や、タンスの裏、冷蔵庫の野菜室、空の炊飯器の中など、まさかと思うような場所に現金を隠しているケースも実際に報告されています。また、現金ではありませんが、3,000万円の終身保険の保険証券がこたつの天板に張り付いていたということもありました。
家族にとって大切なのは、「万が一のとき」に困らないよう、資産の所在や管理方法について早い段階から共有しておくことです。残された家族が困らないよう、そして大切な財産が無駄にならないよう、現金主義を続ける高齢者も、信頼できる専門家に相談しながら、今後の資産管理のあり方を考えていくことをお勧めします。
小川 洋平
FP相談ねっと
ファイナンシャルプランナー
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