頭部や腹部を殴打・髪を引っ張っての移動も…利用者への虐待を繰り返す「悪徳介護施設」。行政処分を受けても平然と復活してしまう理由

頭部や腹部を殴打・髪を引っ張っての移動も…利用者への虐待を繰り返す「悪徳介護施設」。行政処分を受けても平然と復活してしまう理由
(※画像はイメージです/PIXTA)

介護の負担を軽減するために、親を「介護施設」へ入居させることを考える人も少なくない。利用者に対して適切なサービスが提供されているのであれば安心だが、利用者への「虐待」が日常茶飯事になっているという恐ろしい施設もあるという。本稿では甚野博則氏による著書『衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!』(宝島社)から一部抜粋・再編集し、悪徳施設を根絶できない原因について見ていく。

名前を変えた元悪徳施設に入居してしまう利用者も

先の大阪市の介護事業所経営者が続ける。

 

「例えば、処分を受けた代表者が、配偶者や友人を新たな代表者に据え、表向きには全く別の法人として事業を開始するケースをよく聞きます。表向きは、問題を起こした人物が経営に関わっていないということになっていますが、実質的な経営者は同じ。このような手法は、行政の監視の目をすり抜け、再び事業を始める手段としてよく使われている手口です」

 

実際に私が過去に取材した問題のある事業所は、もともと株式会社だったが新たにNPO法人を立ち上げ、代表者を問題があった社長の知人にしている。表向きは全くの別法人であるが、実質的経営者は同じだった。ちなみに、この問題があった会社社長は、従業員に「会社にもしものことがあったら、別法人をつくるしかないな」という趣旨の話をしており、その音声データも私の手元に残っている。

 

こうした手口を行政も知らないはずはない。

 

前出の経営者が言う。

 

「もちろん市も知っています。ただ、書類の上では全くの別法人になっていることもあり、どうすることもできないと市の担当者が言っていました」

 

そうした情報を知らされることもなく、名前を変えた元悪徳施設に入居してくる利用者もいるのだ。

 

 

甚野 博則

ノンフィクションライター

 

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※本連載は、甚野博則氏による著書『衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!』(宝島社)より一部抜粋・再編集したものです。

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