長年にわたり虐待が放置され続けている
九州地方のある施設で、長年にわたって虐待が続いていると明かすのは、この施設で働く林田雅之さん(仮名)だ。
この施設では、平日の午前中に1時間だけ介護が行われるものの、それ以外の時間はほとんど何の支援も行われていないという。例えば、入浴時間中も手が空いている職員が利用者に積極的に関わることはほとんどなく、建物は施錠され、利用者は外に出ることができない状況だと林田さんは語った。
さらに、この施設ではこんな状況が日常的にあったと林田さんは明かす。
「浴槽から利用者さんを出す際に、声かけに応じないと髪を引っ張って移動させる場面や、シャワーで冷水を浴びせる職員がいたこともありました」
また、朝起きてこない利用者に対して大声で叱責する場面も見たことがあると打ち明けた。施設内部では尿臭が漂う居室が放置されたままだといい、利用者が1~2センチも大きい靴を履いていても放置していたという。転倒の危険があっても知らん顔をしていたのだ。
林田さんは2020年に、他の事業所からこの施設に移動してきたが、当時から虐待が日常化していたという。
「施設内で行われている虐待は誰も止めようとせず、上層部に報告しても取りあってもらえなかった」
