頭部や腹部を殴打・髪を引っ張っての移動も…利用者への虐待を繰り返す「悪徳介護施設」。行政処分を受けても平然と復活してしまう理由

頭部や腹部を殴打・髪を引っ張っての移動も…利用者への虐待を繰り返す「悪徳介護施設」。行政処分を受けても平然と復活してしまう理由
(※画像はイメージです/PIXTA)

介護の負担を軽減するために、親を「介護施設」へ入居させることを考える人も少なくない。利用者に対して適切なサービスが提供されているのであれば安心だが、利用者への「虐待」が日常茶飯事になっているという恐ろしい施設もあるという。本稿では甚野博則氏による著書『衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!』(宝島社)から一部抜粋・再編集し、悪徳施設を根絶できない原因について見ていく。

匿名で市役所に相談も、抜本的解決には至らないまま

他に、どのような虐待が行われてきたのかと訊ねると、利用者が職員の指示に従わない場合、頭部や腹部を殴ったり、食事介助の際、声かけに応じない利用者に対して、頭部や体を叩き、食事を破棄したこともあったと明かした。

 

就寝時におむつを触る利用者に対しては、防水シーツを巻いて眠らせることもある。さらに起床が遅い利用者に対して、こう叱責したこともあるそうだ。

 

「いつになったら起きてくるのか? お前だけだぞ、まだ寝ているのは」

 

また、林田さんが直接見たわけではないが、過去には利用者を羽交い絞めにして倒すような行為もあったと別の職員から聞いたことがあるという。

 

このような虐待が行われている事実は、林田さんによって施設長にも報告された。だが、具体的な改善策は取られなかった。そこで、匿名で市役所に相談。それから半年以上経った後、ようやく市による調査が行われた。

 

「調査といっても文書での報告にとどまり、聞き取り調査や立ち入り調査は行われませんでした」

 

林田さんによると、現在は目立った虐待は減ったものの、この施設における虐待問題はまだ解決されていないという。

 

このケースでは、林田さんによる告発で虐待が表面化している。ただ、施設内で入居者が被害に遭っても、その声が施設側に届かないというケースも多々あるのだ。

 

多くの高齢者は、病気や高齢のため、不適切な対応をされても仕返しを恐れて声を上げることができない状況にある。そのため、施設での問題が家族から指摘されても改善されることがなく、問題が継続してしまうケースもある。

 

施設内で何が起こっているのかが外部に知らされないままの現実が、入居者や家族にとって大きなストレスとなっているのだ。

 

さらに、市の高齢者支援課や保健所に苦情を伝えた場合でも、どのような対応をしたのかが家族や告発者に報告されることはあまりない。行政は、こうした運用を続けていてよいのだろうか。

 

 

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※本連載は、甚野博則氏による著書『衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!』(宝島社)より一部抜粋・再編集したものです。

衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!

衝撃ルポ 介護大崩壊 お金があっても安心できない!

甚野 博則

宝島社

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